#1 次世代ブランドの美学は、ダサくてキュートな「Adorkable」

熱狂的なスニーカー好きのコミュニティスタートアップ、D2Cブランド買収、2021年は「デザイナーD2C」の年?


『CEREAL TALK』は、米国の次世代ブランドや小売、ニューラグジュアリーにフォーカスしたメディアです。毎週月曜日の朝にニュースレターをお届けしています🥣 by 沼田 雄二朗(@Numauer), 宮武徹郎(@tmiyatake1) and 草野美木(@mikikusano)


🥣Briefing

次世代ブランドの美学は、ダサくてキュートな「Adorkable」

ニキビパッチブランドの「Starface」は、Z世代から人気のあるD2Cブランドのひとつ。大手ブランドがニキビは悪いイメージというコンプレックスに訴求をするような広告に対して、彼らはニキビをポジティブに見せるブランディングをした。Starfaceのようなダサいけどキュートで、オーセンティックなメッセージング「Adorkables」なデザインがZ世代のブランドでトレンドになっている。8bit、K-pop、TikTok、Lo-fi、アニメなどミックスしたノスタルジアを感じさせながらも、ピンクやグリーンなどコントラストのあるパステルカラーが特徴。メッセージは、カウンターカルチャーやポジティブさ、自己表現を尊重する。反対にミレニアル世代は、インスタグラム美学を意識したスーツケースの「Away」やメガネブランド「Warby Parker」のようなルックスが人気になった。どれも似たようなブランディングになってしまったことを「Blanding(ブレンディング = つまらない、退屈という意味)」と揶揄される言葉も生まれたほど。今では、Starfaceのような動きに対して大手ニキビ治療薬ブランドの「クレアラシル」もZ世代を意識したビジュアルに変わってきた。

Forget TikTok. Clubhouse Is Social Media’s Next Star - Bloomberg

熱狂的なスニーカー好きのコミュニティスタートアップ

カルチャー×コミュニティをビジネスに繋げているスニーカー好きコミュニティ「SoleSavy」が今月$2Mの資金調達を発表した。ビジネスモデルは、月額30ドルで入会すると、クローズドのSlackコミュニティに入ることができ、スニーカーの在庫情報や何がいつ発売になるか、情報を知ることができる。他にもSlackコミュニティ限定のShopifyストアがあり、レアなスニーカーが定価で購入することができるという。中には、「Bot対策が施されたストアで最速で買う方法」という限定記事も読むことができる。SoleSavyの面白いポイントは「熱量のあるコミュニティ」。スニーカー好きが集まるコミュニティに保つために、入会時には「好きなスニーカーは何か?」などスニーカーに関する質問を聞かれたり、コミュニティに入る前に教育コンテンツを見せるなどの手引きがある。記事によると、現在は主に米国とカナダで4,000人のメンバーがほぼ毎日Slackで交流をしているという。キュレーターの個性とと熱狂度の高いカルチャーから生まれるビジネスは、今後大きな波になるかもしれない。

Sneaker enthusiast group SoleSavy raises $2M, setting the stage for a community-driven commerce boom | TechCrunch

D2Cブランド買収、実はうまくいっている?

今アメリカのD2C業界で最もホットなカテゴリーは「CPG(消費財)」。米国では、毎年約3万個の新しいCPGブランドが生まれている。大手CPGブランドのP&Gの主流カテゴリーをアンバンドル化してD2C商品が生まれるケース(例:Dollar Shave Clubがカミソリカテゴリーへ参入)もあれば、飲食D2Cブランドも増えている。そんな中、大手ブランド(Mars、General Mills、P&G、Unileverなど)が成長中のD2Cブランドを買収する事例が多く起きている。しかも、その買収が成功している実績もある。2018年で最も売上が成長した大手企業トップ10の売上成長の40%が過去に買収したブランドから来てたことがBCGの調査で分かった。CPG領域で成功するには、大手オフライン店舗と手を組まなければならない。ただ最近、Whole FoodsやTargetでは多くのD2Cブランドを持ち始めている。大手は、自社の各売上チャネルのデータが分かれば、より効率の良い判断ができ、どのタイミングでエグジットするべきかも見えてくるのだ。さらに、D2CブランドやD2CにフォーカスしているVCファンドはCircleUp、Neilsen、Second Measureなどを使って、データ収集を行なっている。

So you want to be the next RX Bar? - Honestly Debatable


毎週木曜21時頃@ClubhouseでD2CやリテールについてCereal Talkメンバーとゲストを囲んでトークをしています。今週は、2月4日(木)に開催予定です、ぜひ遊びに来てください!


✏️View

2021年は「デザイナーD2C」の年になるかもしれない

プラダの共同クリエイティブディレクターであるラフ・シモンズは「History Of MyWorld」という個人ブランドを立ち上げた。過去のコレクションテーマから名付けられたShopifyストアを立ち上げ、1点もののブランケットやキャンドルセット、書籍を販売。今後、彼がセレクトした服なども販売する他、オリジナルやコラボ製品も加わる予定。LA発の人気ブランド「Anine Bing」やサスティナブルなカシミヤブランド「Naadam」、セリーヌやフェンディと同じイタリアのバッグ工場で作っている「Senreve」などの米国D2Cブランドがラグジュアリー市場を狙ったり、コムデギャルソンのようなハイエンドブランドがD2C専用ブランドを作って実験したりと、ラグジュアリーD2Cが色々盛り上がっている。元セリーヌのクリエイティブ・ディレクターだったフィービー・ファイロを始めに、コレクションを通してデザイナー自身がブランドになっていくことも最近は増えている。ラグジュアリーブランドのユーズド品ECの「The RealReal」でも彼女の時代のセリーヌが人気。

Edior Note

クリエイターエコノミーが大きくなっていくとともに個人が影響力を持っていくのは間違いないですし、ラグジュアリーブランドのデザイナー・ディレクターはある意味クリエイターの頂点とも言えるので、こういう流れは必然なのかもしれません。ただ、D2Cとなるとクリエーション以外にも幅広くカバーする必要があるので、そこをどのようにハンドリングしていくかは気になります。それにしても、まずは自分のブランドを立ち上げて注目を浴び、ラグジュアリーブランドからのオファーを獲得するというのがファッションの世界での王道のような印象がありましたけど、今後はその実績とオーディエンスを引っさげて逆に自分のブランドに注力する時代が来るのでしょうか。——— 沼田

2021 Could Be the Year of “Designer DTC” | Jing Daily


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