🥣 Briefing
顧客エンゲージメントを高める消費者情報の集め方
売上を上げるためにするべきことは、顧客に有益なサービスを提供すること、つまり顧客のエンゲージメントの向上だ。そのために必要なのは、消費者とブランドとが緊密につながり。密接な両者の関係があれば、ブランドは新製品の発売を促進したり、消費者のフィードバックを回収し製品を改良し最適化することができる。さらに顧客のニーズに応えたり、顧客が抱えている問題の解決までも可能になるはずだ。だからこそ、顧客のエンゲージメント向上のために消費者データは貴重なものであることは言うまでもないだろう。
最近は、ブランドやメーカーが消費者情報を取得するためにD2Cチャネルの開発を進めている。これまで、ブランドメーカーは製品の販売をAmazonやWalmartといった大規模なeコマース小売業者に依存してきた。そのため消費者データはこのような大規模な小売業者だけに豊富に蓄積されてきてしまった。米国最大の食料品小売業者であるWalmart は、25% 以上の市場シェアを持ち、世界最大の消費者データ ウェアハウスの 1 つだ。またAmazonもeコマース ボリュームの 40% 近くを占める。その結果、2010年以降、小売業者は圧倒的な顧客データを活用して、ブランドメーカー製品の代替自社製品を製造・販売している。小売業者を通して製品を販売するブランドは顧客情報へのアクセスに制限が課せられているため、大手小売業者に太刀打ちできず、顧客のエンゲージメントを高める点で困難を抱えていた。この課題を乗り越えるために注目されているのが、ブランドメーカーによる直接販売の活用だ。
顧客エンゲージメントの向上は利益成長率に直結していることは明らか。そのため企業を存続・成長させるために顧客情報は貴重な武器で、いかに大量の顧客情報を集められるのかが成功への大きな分岐点となるだろう。
スーパーボウルのTiktokマーケ事例
スーパーボウルの前後にTiktokを使用するブランドが急増している。
とはいっても依然としてテレビCMの規模は大きく、広告媒体がテレビCMからTiktokへ完全移行したわけではない。確かに過去には、保険サービスのEsuranceや自動車メーカーのVolvoがテレビよりもソーシャルメディアを優先することもあった。スーパーボウルのテレビCM枠は30秒で7億円と超高額なためこの広告費を別のコンテンツに分散するべきだと考え、何年にもわたって Twitter でスーパーボウルのキャンペーンを実施することを選択しするのは不思議なことではない。しかし今年は、多くのブランドがTiktokをテレビCMの補完的に利用しており、今年もその傾向は続いている。専門家によると、Tiktokを利用しているブランドのほとんどが絶好調だという。
21年にスーパーボウルキャンペーンを初めて行った保険会社のState Farmは翌年の22年に次回のTVCMに出演する権利をかけたキャンペーンをTiktokで開催。State Farm のマーケティング担当副社長であるアリソン・グリフィン氏によるとこのキャンペーンで、約 460 件の投稿、TikTok での 1,320 万ビュー、77,100 人の新規フォロワー、50 以上のメディア プレースメントを受け取り、3 億 1,200 万インプレッションを獲得したという。マーケティング会社のMekanism のパートナー兼最高ソーシャル責任者によると今年はテレビと TikTok の両方でプロモーションを行うブランドが増えると予想している。その理由は2つあるという。ひとつは経済的な懸念。2つ目の理由は、それぞれのテレビCMとTiktokの両者の利点を最大限活用するためだ。セレブリティを信用する傾向のある若い消費者にはTiktokが有効な一方、視聴者層が広いテレビCMには多くの人に知られているセレブリティがクリエイターよりも最適だという。また、22年に行われたTMA のレポートによると、インフルエンサーにはSNS上にとどまっていてほしいと考える人が半数を占めたそう。
スーパーボウルマーケティングがTiktokの成熟ともにどう変化していくのか楽しみだ。
How will brands use TikTok in Super Bowl marketing this year?
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