🥣 Briefing
2次流通ブランドのトレンド
2次流通マーケットの現状と今後特に注目されるであろう3要素、コミュニティ、セレンディピティ(偶然の出会い)そしてキュレーションについて解説しているSprezzaの記事が興味深かった。この15年間でますますその地位を確立してきたヴィンテージというカテゴリー。言葉の定義は幅広いため、実際、ヴィンテージ品はどのマーケットプレースで取引されるのかによってその価値が分類されるのが一般的だ。例えば、ハイエンドなリセール、ストリートウェアやスニーカーのリセーリング、ヴィンテージもしくはグレイルリセーリングといったものだ。さらにマーケットプレースはインフラを構築し、買い手と売り手がお互いを見つけたり、両者の取引を促進するという役割を果たしてきた。
最近のリセールマーケットプレースではノスタルジーが流行している。例えば、伝統的なアメリカンブランドのTommy HilfigerはフリマアプリDepopで、自社の古着を活用したコレクションを発表した。その結果、過去の顧客だけでなく新しい顧客とつながる場となっている。他にも、インフルエンサーが自身のクローゼットにある自身のアイテムを並べて販売する形も人気だ。影響力があるインフルエンサーの所有物は特に注目される。そこには高級なアイテムからニッチなものまでバラエティが豊富で、楽しさがつまっている。さらに今年はガレージセール人気が再燃中。ニューヨークのMenswearheadsのグループが運営する The Menswear Garage Saleでは、服好きの人たちが自身の服を販売している。ここではただ服の売買が行われるだけではなく、友情とコミュニティが生まれているのが、魅力的なポイントだ。
ヴィンテージショップにとってキュレーションが重要であるにも関わらず、多くのウィンテージショップが手に入れたアイテムを選別せずにすべて販売しているケースが少なくない。そのため、最悪なキュレーションのこともある。そんなヴィンテージショップも存在する中、ニッチさに焦点を当てて人気を集めているリセーラーもいる。例えば、シカゴのGood Form Vintageは最高のアメリカのスポーツウェアを収集しオンラインサイトで販売している。こういったキュレーションが価値の創造にますます重要になってくるだろう。
D2Cブランドがインフルエンサーマーケティング予算を削減している理由
インフルエンサーマーケティングは2022年までは16.4Bドルにまで、急成長していたが、最近はマーケティング予算を削減しているブランドが増えている。女性向けのサニタリーDTCブランドのStrixもそのうちの一つだ。Strixの共同創業者のNorwoodによると、過去にはインフルエンサーを活用したマーケティングに$10,000以上費やしていた月もあったが、現在の予算はStrixのマーケ予算全体のうちの10%にも満たず、$1,000/月を下回るという。
かつてインフルエンサーマーケティングは驚異的な効果を発揮していた。アクセサリーブランドのSusan AlexandraのCEOのスーザン・コーンもその効果を体感した一人だ。実際、2018年や2019年当時は、インフルエンサーマーケが彼女のビジネスを後押ししてくれた。そのころのコンテンツについてコーン氏は、インフルエンサーが作る投稿は、そのブランドの製品を身に着けたらどんなに素敵かという魅力を閲覧者に、伝えるもので、それは明らかにブランドの確立に寄与していたという。しかし今日ではインフルエンサーマーケティングを活用してもそのような結果が得られるというわけではない。
DTC投資プラットフォーム「Public.com」の買収担当副社長VPは、2021年初期にインフルエンサーマーケを偶然にも始めたという。結果、そのコンテンツはベストパフォーミング広告に選出されたほか、当時は、ユーザーごとのコストを低く押さえながら、高いコンバージョンレートやクリック数を獲得できた。しかし昨年頭に、CPMの上昇とコンバージョン率が悪化し始め、さらにクリエイターによる料金の値上げが発生した。その結果、このキャンペーンのユニットエコノミクスが低下していった。
なぜインフルエンサーが作るコンテンツの効果が小さくなってきたのであろうか?その理由は、インフルエンサーのコンテンツの質の違いとそれに消費者が気づくようになってきたからだ。つまり、インフルエンサーが仕事として制作するコンテンツと、真のブランドのファンが作るコンテンツとではオーセンティックさ(真正さ)で違いがあり、マーケティングとして作られたコンテンツを人々が見抜くようになってきているのだ。
2023年もインフルエンサーマーケティングはまだ確かにマーケティング手法の一つではある。しかし、以前のようにその力に頼る時代は過ぎた。魅力を伝えるコンテンツを作るために、クリエイターだけでなくブランドがより全体を捉えて考えていく必要がある。
Why some DTC brands are reducing influencer marketing budgets