🥣 Briefing
マーチャントがECアプリを作る良さとは?
Shopifyのアプリストアには、店舗デザイン、商品調達、SEO、マーケティング、出荷などの作業を支援する7,000以上のアプリがあるが、最近Shopifyのエコシステムでマーチャントが開発したアプリが増えている。
例えば、2008年に弁当箱と関連アクセサリーを販売するShopifyストア「Bento&co」を立ち上げたThomas Bertrandは、マーチャントとしての経験を生かしてShip&coというアプリを開発した。このアプリは、販売店が様々な運送会社の送料を比較し、配送ラベルを印刷し、配送を追跡することができる。京都を拠点とするBento&coは、現在、約100カ国に商品を発送しているが、オンラインストアが年々成長するにつれ、海外発想時のカスタムインボイス作成に時間がかかるようになった。ShippoやShipstationといった他のプラットフォームの利用を検討したが、それらは米国を拠点とする販売店向けであり、Bento&coが必要とするカスタムインボイスサービスは提供されていなかった。そこで彼は、小さなチームを結成して社内でアプリを作り、最終的にShip&coと名付けた。Ship&coは2016年にShopifyのエコシステムで構築さたが、現在ではEtsy、eBay、Amazonなど他のプラットフォームのセラーも使用できる。
他にも、Daniel Patricioは南アフリカのビーフジャーキー「ビルトン」を販売するBull and Cleaverの創業者だ。2022年初頭にブランドのコンバージョン率を向上させるため割引コードの活用を決めたものの、顧客がチェックアウト前に割引コードを追加するのを忘れてしまうことが多いという課題があった。そこでPatricioは、チェックアウト時に自動的に割引が適用される仕組みや、適用されたことをポップアップで知らせる仕組みのテストを開始した。結果、実際にメールのコンバージョン率は2倍になったという。そこでこの仕組みを2022年7月にShopifyのアプリ「Abra」にし、顧客がチェックアウトする際に、加盟店が利用可能な割引を自動的に適用することを可能にした。彼は、これまでに約100の加盟店がこのアプリを使用している。
このようにBertrandやPatricioのように技術的はなくとも、マーチャントの知見からビジネスの現場で求められているニーズに答えるアプリやUI・UXを考えることができる。
今や約200万人のマーチャントがShopifyを使用してオンラインで商品を販売している。そんなShopifyは自らを "起業家精神旺盛な会社 "と称し、アプリ開発にインセンティブを与えている。 Shopifyエコシステム内の加盟店のために開発したアプリが優れていればいるほど、加盟店はより多くの売上を上げることができるためだ。具体的には、開発者のアプリが100万ドルの収益を達成した場合、開発者の収益の15%を徴収する。ちなみに、年間収益が100万ドル未満の開発者には15%、それ以上の収益には30%の収益分配を課すGoogleとAppleと比較すると、優れたアプリを開発するインセンティブがShopifyのほうが高い。
Shopifyからの投資を含む2500万ドルのシリーズBを調達したばかりのTriple Whaleの共同創設者は、Shopify上でオンラインストアを運営した後、マーチャントがマーケティングキャンペーンの成果をより深く理解できるようなデータプラットフォームを構築している。このようにShopifyエコシステムで成功するマーチャントを増やし、さらにエコシステム全体の成長のために貢献するマーチャントや開発者の高い熱量がますます勢いを加速している。
Shopify Merchant Built App to Simplify Shopify International Shipping
レストラングループMomofuku Goodsが調達
コロナをきっかけに設立されたMomofukuはたった70日で100万ドル超えの収益、130%の年次成長率を達成した食品会社だ。先週には、17.5M(日本円で23億近く)調達を発表。チリクランチ(チリソース)やヘルシーなインスタントラーメン、シーズン限定の塩などを展開しており、製品はMomofukuの自社ECサイトやアメリカ国内の2000以上の小売店(TargetやWohle Foodsを含む)で販売されている。
そんなMomofukuの現CEOのMariscalは、インターンとして2011にmomofukuにジョイン。もともと食料員ビジネスのファミリーの一員として育ち、英文科専攻の大学を卒業後、食や文化についての幅広い会話が生まれる場であるレストランに魅力を感じたことや、なぜ人々は日本のヌードルよりもイタリアンパスタによりお金を使いたいと思うのだろうか?素敵なダイニングレストランが白いテーブルクロスを使わないといけないのか?という疑問が生まれるなかで、ストーリーテリングが常に中心にあるmomofukuに惹かれたという。
Mariscalは、ブランドは常に消費者のフィードバックに耳を傾け、製品を手直しし、人と人とのつながりを大切に、意味のあるものにすることを使命としている。
Momofukuでは、私たちは競争からはずれなけれならないといつも言っているという。ブランドの全体のミッションを信じることができないときには簡単ではないだろう。しかし私達はアメリカンフードの豊かさを信じてMomofuku がその一部になるという決意のもと事業を展開している。
How CEO Marguerite Mariscal Slayed By Pivoting Momofuku From Restaurants To Consumer Goods