🥣 Briefing
H&Mがノルウェーに初のビューティーラインショップをオープン
H&Mは、ノルウェーのオスロにビューティーラインの旗艦店をオープンすると発表した。初のビューティーライン店舗は、5月4日と25日にそれぞれ既存のH&M店舗のエントランス箇所を使ってオープンする予定。どちらも300平米の広さとなる予定で、これは既存店のビューティーセクションの2倍の広さとなる。
H&Mは2015年からオリジナルコスメを販売しており、2021年には自社製品以外の商品の取り扱いも開始。H&Mの店舗やECで、メイベリンやロレアル パリといったブランドのアイテムも取り扱ってきた。新店舗ではこれらのブランドに加え、ノルウェー発のブランドHuda BeautyやニュージーランドのヘアケアブランドMondayをはじめとする、80のブランドを取り扱う。
店舗はカクテルバー風のカウンタースペースとスパをイメージしたスペースの2種類に別れており、カウンタースペースでは友人と共にアイテムを試すなどコミュニケーションを重視した設計となっている。
H&M BeautyのゼネラルマネージャーであるCathrine Wigzellによれば、H&Mは3年ほど前からビューティーラインに力を入れることを決め、すでに組織としてもファッションラインから独立しているという。
さらにH&M Beautyの顧客の半分は35歳より若く、そのうちの半分はZ世代であり、ビューティーラインが新規顧客を取り込んでいる部分もあるようだ。既存のH&M店舗のエントランスにH&M Beautyの店舗をオープンさせるのも、コスメで取り込んだ新規顧客をシームレスにファッションにも移行させる狙いがあるようだ。
ラグジュアリーブランドからファストファッションまで、ファッションブランドがビューティーラインに力を入れ始める中、H&M Beautyの店舗はブランドのコスメラインにおける新たな事例となりそうだ。
D2Cのアウトソーシングを加速させるコマーススタック
これまでスタートアップの成功法則は「垂直化によるプロダクトの改善」だったが、D2Cはむしろアウトソーシングを増やして、自分たちの強みに注力すべきなのではないかと多数のリテールテック企業へ投資しているEqual Venturesはブログで語っている。たとえば、 Equal Venturesは実店舗の出店を支援するサービス「Leap」に出資している。Leapを使えば出店場所の選定や交渉から店舗のオペレーションまですべてアウトソーシングできる。その分、浮いたリソースを自分たちの強みにフォーカスすべきというわけだ。
さらに彼らは余剰在庫の管理型マーケットプレイス「Ghost」にも投資しているほか、「新しいコマーススタック」としてホールセールプラットフォームの「FAIRE」や、リコマースサービスの「Trove」など、8つのサービスの名前を上げている。
興味深いのは、あげられた8つのサービスのうち、Shopify以外は在庫や店舗などフィジカルなものを扱うサービスである点だ。これらの領域は非効率な部分も大きく、資本力のある大企業に比べてD2Cが競争力を持ちづらい分野だ。しかし例に挙げられているようなサービスが成長し、D2Cが業務をアウトソーシングすることで効率化できれば、大企業と同等の競争力を持てるのではないかと彼らは期待しているという。
今後D2Cブランドが顧客体験を高めていくために店舗や在庫管理など、フィジカルなものを扱う必要性が高まるなか、こうしたRaaSの盛り上がりによって業界全体の知見やデータも集まり、より最適化していくと予想される。大企業のような資本力を持たない新興ブランドこそ、すべてを自分たちで抱え込もうとしすぎず、「Unbundle(切り分ける)」する考え方が重要となっていきそうだ。
The Unbundling of Retail. By: Rick Zullo and Chelsea Zhang | by Equal Ventures | Medium
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