🥣 Briefing
sweetgreenがデジタルピックアップキッチンをオープン
サラダ専門店チェーンのsweetgreenが、注文から提供までを自動化したレストラン「The sweetgreen Infinite Kitchen」をイリノイ州ネイパービルにオープンした。sweetgreenは2006年当時アメリカ初のサラダ専門店としてスタートし、そのチェーン店舗数は今や200以上を突破した。そんなサラダ店が今回新たにオープンしたレストランは、同社が2021年に買収したテック企業Spyceの技術を活用したものだ。
このレストランでは食材の盛り付けや適切量のドレッシング計測や分配、調理した料理を新鮮に保つための正確な温度管理が自動化されている。その結果、5分以内に正確な料理を提供できるようになったほか人件費も半分にカットされたという。
サービスの自動化というと効率化重視が最優先されがちなイメージだが、今回sweetgreenは効率化に加えて顧客体験の楽しさも追求している。例えば、自動化レストランに、あえてホストという新しいポジションの店員を配置し顧客が料理について相談できるようにしていたり、待ち時間を有意義に過ごすための買い物ができる小売店「The Market」を併設しており、訪れる人を楽しませることを意識したつくりになっている。
店舗の自動化が注目される今、sweetgreenの新店舗はレストラン業界にとってひとつの参考事例となりそうだ。
AIはファッション業界において脅威となりえるか?
生成系AIやChatGPTといった新しいテクノロジーと私たちはどのように向き合うべきか?ファッション業界においても、ブランドが新たなテクノロジーの採用を発表するたびに賛否両論が巻き起こっている。
たとえば3月にLevi’sが発表したAIモデルの採用には、従来のモデルの仕事を奪うのではないかと批判の声が集まった。Levi’sによれば、AIモデルの採用は顧客が目にするモデルの多様性を広げるためとしているが、AIではなく生身の人間で多様性を表現すべきという声も根強い。
テクノロジーや自動化の功罪はその時代ごとに議論されてきたが、現在大きな議論を呼び起こしているのは、データ分析や法務、財務、メディアやコンテンツ作成といったホワイトワーカーへの影響が大きいからではないかとBoFは考察している。
AIやロボットによって失業者が増える可能性がある一方、これまで手作業で何度も繰り返し行われてきた作業を効率化させることで、生産性の向上も期待できる。
たとえば、2020年にNordstromがオープンしたフルフィルメントセンター「West Coast Omni Centre」ではロボットの導入や最新テクノロジーへのアップデートによって、顧客が商品を受け取るまでのリードタイムも短縮できたという。
歴史的に見ても、テクノロジーによってこれまで行ってきた業務がリプレイスされるのはほぼ確実と言える。そこで「失業するかもしれない」と恐れて反対するか、いち早くテクノロジーを使いこなせるようになるかで今後の人材評価も変化していきそうだ。