#116 ゼロシュガー飲料ブランドのSwoonがBarbieとコラボしたピンクレモネードを新発売
新興ソーダブランド「Olipop」がスポーツチームと提携できた背景、最新リテールテックニュースまとめ
🥣 Briefing
ゼロシュガー飲料ブランドのSwoonがBarbieとコラボしたピンクレモネードを新発売
来月公開予定の実写映画が注目を集めているBarbie。そんなBarbieとノンシュガー飲料ブランドのSwoonがコラボし、世界観ぴったりの限定ピンクレモネードをローンチした。
Swoonは、共同創業者のひとりであるJennifer RossがI型糖尿病を患っていることから、ノンシュガーでありながらおいしさとわくわくを追求するドリンクをコンセプトに立ち上がったブランドだ。レモネードのコラボレーションはこれが2回目となり、初のコラボレーションとなったインフルエンサーブランドのChamberlain Coffeeと開発した抹茶レモネードは、発売日には1分あたり3本売れるほどの人気を博したという。
また、今回のBarbieとのコラボでは、売上の10%を「Barbie Dream Gap Project」に寄付すると発表している。Barbie Dream Gap Projectは、世界中の5歳から10歳の少女たちにスキルやリーダーシップを開発するカリキュラムを提供するプロジェクトだ。単にBarbieのIPを活用して商品を売るのではなく、ドリンクを通して少女たちを支援する姿勢を見せているのもポイントだ。
さらに、Targetではこのピンクレモネードをドリンク売場だけでなく、バービー人形が置かれているおもちゃ売場でも展開しているという。コラボによって、既存の売場以外でも展開できるようになる好例といえそうだ。
新興ソーダブランド「Olipop」がスポーツチームと提携できた背景
2023年4月、炭酸飲料ブランドのOlipopが女子プロサッカーチームのKansas City Currentとスポンサー契約を締結した。スポーツ市場における飲料スポンサーは、長らくコカ・コーラとペプシの2大ブランドが独占してきた。そんな寡占市場に、2017年に創業したばかりのOlipopが風穴を開けようとしている。
Olipopがスポンサー先として女子サッカーチームを選んだ背景には、女子サッカー人気の高まりはもちろんのこと、同社の顧客の80%が女性という点もある。同社でグロースとパートナーシップを担当するSteven Vigilanteは、「OlipopまだNFLやビールを飲むような男性向けの商品ではない」と話す。Kansas City Currentにとっても、大企業の飲料メーカーではなく、新しくヘルシーなイメージのあるOlipopをスポンサーにすることで、競技やチームのイメージアップをはかる狙いがあるようだ。
またVigilanteによれば、今回のスポンサーシップによって、チームの本拠地近郊での売上が伸び、ローカルマーケティングとしても成功しているという。カンザスシティとのコネクションができたことによって地元のスーパーマーケットチェーン「Hy-Vee」で取り扱いがはじまったほか、2022年にオハイオ州コロンバスでポップアップを行った際にはその地域周辺で売上が急増した。D2CブランドはNYや LAといった大都市からはじめることが多いが、ブランドがひしめき合う大都市での戦いから突き抜けるには、地方都市を抑える必要があるとVigilanteは語る。
しかし、スポーツチームとスポンサーが培ってきた長い歴史に新興ブランドが割って入るのは容易ではない。VigilanteもKansas City Currentとの契約を勝ち取るまでは、チームの担当者に話を聞いてもらうのも苦労するほど難航したという。メジャーの名門チームRed Soxの担当者からは、「私たちはコカ・コーラから年に700万ドル支払ってもらっているので、本来はあなたと電話で話すことも難しいんです」と門前払いされたこともあるそうだ。
すでに人気の高いスポーツは既存スポンサーの牙城を崩すのが難しい面もあるものの、アメリカではプロサッカーリーグがこの数年で盛り上がりを見せたり、新たな競技が生まれプロリーグが結成されたりと、新興ブランドが参入する余地も大きい。D2Cブランドがローカルにも販路を広げていくうえで、こうしたスポーツチームとのスポンサー契約は今後も増えていきそうだ。