🥣 Briefing
増え続けるSaaSツールにうんざり?、eコマース業界の本音
2017年から2020年にかけてSaaSの利用数は急激に増加した。テック業界のアナリストで投資家のベネディクト・エヴァンスのレポートによると小売業の場合75社から125社近くに増加、テック企業での利用率は100社から約160社に。D2Cやeコマース業界ではSaaSはこれまで人気だったが、『AdExchanger』の匿名取材によると現場はそうでもないらしい。
取材に応じたD2CブランドCEO 4名はこう話す。「サブスクリプションソフトウェアが市場を強く支配しているのは、投資家に好まれる。ブランドビジネスより手堅いんだ」。一般的にSaaSビジネスは、スティッキネス(Stickiness)で、離脱しにくい。しかし、「サブスクリプションの予算も広告と同様に消えてしまう可能性もある」と匿名CEOは語る。かといって、ツールの断捨離も難しく、必要とするツールが増え続ける中で、代替手段として注目されているのがジェネレーティブAI。OpenAIを使って、「Shopifyで動作するレビューソフトのプラグインを作って」とプロンプト作成するだけでサービスに月々課金せずとも同様のサービスを利用できる。実際に、あるCPGブランドのCEOは、OpenAIに手数料を支払いChatGPTを使用してスケジュールや予算項目の管理ができる機能を作成したことでSaaSベンダーへの課金を停止したそうだ。
ウェンディーズ、Google生成AIを活用したドライブスルー
ファストフードチェーンのウェンディーズが、Google Cloudと協力し「Wendy's FreshAI」を発表。6月からオハイオ州コロンバスにある店舗で導入予定だという。ウェンディーズの顧客の75〜80%は、ドライブスルーを利用している。実際にどう利用されるかというと、口頭ベースで注文し、オーダー内容がディスプレイに表示されるというもの。ジュニアベーコンチーズバーガーをJBCと呼んだり、顧客からのメニューの通称やスラングなども理解し、注文できるという。他のファストフードでもAI音声でのドライブスルーを導入しているが、良くない方で話題になってしまっているのがマクドナルド。IBMと提携し、一部店舗で導入されたが、スムーズに注文できる人もいる一方で、間違った注文や正しく理解されないトラブルも多く、そんな状況をTikTokで投稿する人が話題になった。他にもハンバーガーチェーン「Carl's Jr.®」などの親会社CKEレストランツは、AI企業のPresto Automationなどと提携。店舗の効率化と良い体験をどう両立していくか、今後に注目だ。
Wendy's® | How Wendy's is Using AI for Restaurant Innovation