🥣 Briefing
イギリス初のストリートウェア「Aries」が支持される背景
今、イギリスで根強い人気を誇るストリートウェアブランドがある。著名なモデルやスタイリストをはじめ、ファッションアイコンによる口コミから人気に火がついた「Aries」は、人気ドラマシリーズ「Euphoria」で登場人物が身につけるなど注目度が高まっている。
その人気は業績にも表れている。Ariesは外部投資家を入れていないにも関わらず売上は2000万ユーロ近くに達し、CEOのNicki Bidderによれば2021年から2023年の間に売上は2倍になったという。
イタリアとイギリスにルーツを持つSofia PranteraがデザイナーとしてAriesを立ち上げたのは2014年のこと。PranteraはCentral Saint Martinsを卒業し、The FaceやVogue Italiaといったファッション誌のスタイリストを経てAriesを立ち上げた。
Ariesはスケートカルチャーからインスパイアを受け、スケートブランドとの関わりも深いが、Prantera自身はスケートをしたことはなかったという。しかし、スケートカルチャーにおけるファッションだけでなく、自由を楽しむ姿勢からインスピレーションを受け、デザインに生かしてきた。そのため、製品カテゴリーも “Men”、“Women”だけでなくジェンダーに関わらず使える“Don’t Care”を設定し、顧客が自由にファッションを楽しめることを意識している。Z世代からの支持が厚いAriesだが、Prantera自身も40代であり、40代でも20代と同じ感覚で着られる自由度の高さもその人気を支えている。
また、ボーイッシュなイメージの強いAriesだが、背中が大きく空いたトップスやダイダイ染めのドレスなど、女性らしいアイテムも多い。そういったアイテムはセレクトショップに置かれることは少ないが、ストリートウェアでありながら女性性を否定するわけではなくファッションを楽しめるアイテムとしてAriesらしさを表現するアイテムでもある。そのため、新しくオープンした店舗では、セレクトショップでは普段取り扱われることのない女性らしいアイテムも揃え、ブランドらしさを出している。
ジェンダーや年齢にとらわれることなく自由に楽しめるアイテムを提案しつつも、完全にすべてをニュートラルにしてしまうのではなく、それぞれのよさも引き立てるアイテムをつくるバランス感が、今の若い年代にも支持されている理由なのかもしれない。
🎙 Podcast
ERP(基幹システム)の進化がリテール業界に及ぼす影響とShopifyアプリの新たな動き
企業の成長に伴って、避けては通れないのが経営管理を効率化するための基幹システムだ。D2Cブランドも、成熟し事業規模が大きくなるにつれて生産管理やフルフィルメント業務を効率化するためにネットスイートやSAPといったERP(Enterprise Resource Planning)の導入を検討する企業が増えてきた。しかし従来のERPシステムは高額な上に小回りがききづらいという難点があった。
一方で、アメリカではこの数年で在庫管理やフルフィルメントといったバックエンド系のShopifyアプリが増え、規模の大きなブランドが導入しはじめている。こうした流れを受けて、ShopifyアプリによってECの機能がアンバンドルされていったように、ERPもアンバンドルされていくのか?バックエンド業務は今後どう効率化・合理化されていくのか?をテーマに、Headless ERPのプラットフォーム「Tailor(テイラー)」の共同創業者である柴田陽氏をゲストに迎え、ERPの今と未来を語ってもらった。