#11 GUCCIがデジタルスニーカーを1,300円で販売している理由
アメリカで流行っているSMSを活用した会話コマース、コロナ禍を乗り越えた、Rothy'sのプロダクトのネーミング、二次流通市場の盛り上がり
『CEREAL TALK』は、米国の次世代ブランドや小売、ニューラグジュアリーにフォーカスしたメディアです。毎週月曜日の朝にニュースレターをお届けしています🥣 by 沼田 雄二朗(@Numauer), 宮武 徹郎(@tmiyatake1) and 草野 美木(@mikikusano)
🥣 Briefing
GUCCIがデジタルスニーカーを1,300円で販売している理由
GUCCIはファッションテック企業「Wanna」とコラボし、約1,300円のデジタルスニーカー『Wanna x Gucci』を販売をした。GUCCIのクリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレがデザインしたスニーカーはARを活用して履くことができる。さらに、RobloxやVRチャット上でも身につけられるのだ。GUCCIは大手ファッションブランドとしてはかなりデジタルファッション領域で挑戦をしている。過去にファッションスタイリングゲーム「Drest」、アバターアプリ「Zepeto」、ゲーム『Sims 4』のコラボや『Pokemon GO』などでアバターのスキンやデジタル商品をこれまで発表してきた。『BoF』では、この取り組みは「デジタルネイティブなZ世代にアピールするためでもある」と報じている。低価格にしている理由はGUCCI商品に興味があっても中々購入できない層に対して提供して、ゲーム内もしくはSNS投稿でブランドを好きになってもらうため。次の5〜10年でファッションブランドの売上の大きい割合はデジタル商品からくるとWanna CEOのセルゲイ・アルカンゲルスキー氏は語る。まだデジタルアセット領域は改善することは多いが、将来的に重要になってくるのは明らかだ。
アメリカで流行っているSMSを活用した会話コマース
2016年に「DIRTY LEMON」がSMSの会話コマースに成功してから、ドリンクブランド「Taika」、シリアルを販売する「The Cereal School」、エナジーバー「Verb」などがSMSを活用してユーザーと連絡を取り始めた。『Thingtesting』の記事では、初期はフィードバックや再購入でSMSを利用する企業が多かったが、今ではエキスパートとの会話をサービスとして提供しているブランドも増えているとレポートしている。家具ブランドの「Burrow」やインテリアデザインについての質問を回答するため、キッチンウェアブランド「Great Jones」ではクッキングアドバイス、そして「Emthapy Wines」のコンシェルジュサービスは、パーソナライズされたワインのレコメンドしてくれる。
ドリンクブランド「OLIPOP」では約7,500人の顧客がSMSでのやり取りにオプトインしていて、サブスク管理や新しい味へのアクセスをできるようにしている。実際にOLIPOPが昨年12月に新しく出した商品は、15分以内で約150万円分が売れ、ニュースレターよりSMSの方が売上があるとOLIPOPのカスタマーエクスペリエンス責任者のエリ・ワイス氏は語る。メールの開封率が大体3〜4%と比較してSMSは95%と言われている。さらに開封した30%が購入にまで至るという分析も上がっている。コンバージョン率が高いため、最近多くのブランドがSMSマーケティングに投資したがっている。ただリスクも同時にある。メールとは違って電話番号の共有のハードルは高い。友達や家族にしか共有しないものを、何故わざわざブランドに共有するかを考えて、バリュー提供をしながら慎重に行うのが重要。OLIPOPでも毎月2回以上のSMSは送らないようにしている社内ルールがあるそうだ。そのおかげで、SMSキャンペーンを行なっても大体離脱率を約2%に抑えられている。
コロナ禍を乗り越えた、Rothy'sのプロダクトのネーミング
シューズブランド「Rothy's」は、パンデミックを乗り越えたブランドのひとつだ。Rothy'sはコロナ流行によりすぐに、中国の自社工場でマスクの生産をし始め、当分の間は家での生活時間が増えると理解しそれに合わせたプロダクトを開発。『Mordern Retail』の取材によると、「Rothy'sは自社工場を持っているおかげで、通常だと新商品を市場に出すために2ヶ月かかるプロセスをRothy'sは2週間でできる」とRothy'sのマーチャンダイジング担当者が語っている。元々の人気商品だったフラットやドレスアップ・仕事用から、履きやすいスリッポンに注力し、新しい柄や色を出したおかげで2020年春はかなり好調らしい。パンデミックになる直前に発売した新カテゴリーのハンドバッグも、スマホの充電器が入れられたり、旅行中のユースケースを推していたが、デザインやブランディングを変更して家でビューティープロダクトを収納しやすい「バニティバッグ」として販売したのも秀逸だ。
How Rothy’s pivoted its product strategy in 2020 and stayed profitable | Modern Retail
🎙 Episode 06: 二次流通市場
今回のエピソードは、リセールECの米「thredUP」 の上場について倉庫の凄さ、Poshmarkとの違い、スニーカーの二次流通の動きについて話しました👟(Apple Podcastの方はこちら)
📣 Event
Shopifyと完全連携!EC自動化ソリューション「Alloy」
4月16日(金)13:00〜14:30より、フラクタ「The DtoC Brand Explorers:POLYMATH」とコラボし、注目のEC自動化ソリューション「Alloy(アロイ)」 CEOのサラ・ドゥ氏をゲストにお迎えし、ウェビナーを開催します。興味ある方はぜひご参加ください🌿
Alloyとは?
Alloy(アロイ)は、EC自動化ソリューションを提供。Twillio、Hubspot等様々なツールをノーコードで繋ぐことができるワークフローオートメーション。Y Combinatorの2020 Winterに参加。今年2月には、ベインキャピタルやAbstract Ventures、Color Capital、「Shippo」の創業者などから$4M調達を発表。
開催時間:4月16日(金)13:00〜14:30
視聴方法:こちらのYouTubeチャンネルで配信します。
📰 News
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