🥣 Briefing
サステナブルな商品パッケージ選定ツールBluebirdが人気の理由
EC上で製品パッケージの環境負荷を表示するツールBluebirdが注目を集めている。サステナビリティへの関心が高まっている昨今、商品やパッケージの環境負荷を測定し、表示するサービスはいくつか存在するが、そのなかでもBluebirdがなぜ人気なのだろうか?その理由は、環境負荷を消費者に提示するだけでなく、ブランドがサステナブルなパッケージを採用する手助けをしている点にある。
Bliubirdを使ってEC上に表示できる環境負荷の情報はいたってシンプル。「Carbon Impact(CO2排出量)」と「Waste Impact(廃棄コスト)」の二軸で評価した情報が商品ページに掲載され、消費者はより環境負荷の少ないアイテムを選ぶことができる。
この機能だけであれば他にもさまざまなツールがあるが、Bluebirdが特徴的なのは、サステナブルなパッケージを検索できるプラットフォームだ。そこにはパッケージベンダーが提供するサステナブルなパッケージの情報が集約されており、ブランドは信頼できるデータをもとに環境負荷がより少ないパッケージを手軽に採用することができる。
Bluebirdがベンダーを選ぶ際の基準として、サステナビリティだけでなくコストの安さを重視しているのもポイントだ。共同創業者のJamie McCroskeryは、自身がGlossierで働いていた経験から、サステナブルなパッケージは高いというイメージが蔓延していることに課題を感じていたという。そこで、まだ資金的な余力が小さいスタートアップのブランドでも、パッケージの環境負荷もコストもどちらも減らすことができる選択肢を提供したかったという。
実際に、Blue birldを利用しているスキンケアブランドのExperimentは、パッケージにかかるコストを据え置きのまま、炭素排出量を78%削減することができたという。
サステナビリティの重要性が高まるなか、低コストで環境負荷の少ないパッケージを探しだすことを簡単にし、さらに環境に配慮したパッケージを使用していることをEC上で表示することで消費者にもアピールするという両方の機能を兼ね備えている点が、BluebirdがアメリカのD2C内で注目されている理由といえそうだ。
BeautyMatter | How To Reduce Sourcing Costs For Sustainable Brands
在庫管理の重要性の高まりと新たな潮流
ブランドの成長戦略として、在庫管理の重要性が以前にも増して高まっている状況をRetail Brewが解説している。
その背景にはコロナ禍による生産・物流の混乱やインフレ、原料高といった社会的要因も絡んでいる。NielsenIQ dataの調査によるとコロナ前の2018年に顧客が品切れを目にする機会は1/200だったが、2022年には1/59と品切れに直面する確率が2倍以上に跳ね上がった。それにともなって、2018年には3億ドルだった売上の機会損失も、2021年には売上額の7.4%となる820億ドルが失われたという。
サプライチェーンは以前にも増して複雑さを増しており、インフレや政情不安、パンデミックといった企業努力の範疇を超えた要素に左右されやすくなっている。一方で、テクノロジーの進化によって在庫予測や補充といった在庫管理の精度も上がりつつある。Shopifyのアプリストアでも在庫予測ツールや発注管理ツールが成長を見せており、在庫管理をはじめとする経営管理の効率化に各企業が目を向け始めている。
しかし、テクノロジーを活用した在庫管理には過去の失敗例もある。たとえばAmazonが2017年にWhole Foodsを買収した際、Whole Foodsの店舗にAmazon独自の自動在庫補充システムを導入したところ、あちこちの店舗で品切れが発生してしまったことがあった。オンライン販売と異なり、店舗在庫まで含めて在庫管理をするには輸送ラグも計算にいれる必要があり、より複雑になる。とはいえ、新興ブランドの多くが卸売や自社店舗での販売など販路拡大に力をいれているため、在庫管理ツールもゆくゆくは流通チャネルすべてをカバーできるようになることを期待したい。