#13 ニッチなオンラインスーパーの成長、Umamicart

コロナで成長したPangaia、次の一手は”素材”、ラグジュアリーブランドがコンテンツキュレーターになっている理由、コンテンツ x EC、あのPoolside FMから、80sテイストな日焼け止めをローンチ


『CEREAL TALK』は、米国の次世代ブランドや小売、ニューラグジュアリーにフォーカスしたメディアです。毎週月曜日の朝にニュースレターをお届けしています🥣 by 沼田 雄二朗(@Numauer), 宮武 徹郎(@tmiyatake1) and 草野 美木(@mikikusano)


🥣 Briefing

ニッチなオンラインスーパーの成長、Umamicart

アジア系のオンラインスーパー「Umamicart」がローンチした。Umamicartは、中国や韓国、日本、東南アジアの食べ物、食材、そして見つけにくいソースや調味料をオンラインで購入することができる。2020年ではスーパーのEC売上が54%成長して、市場規模は$95.82B(約10.6兆円以上)。コロナ期間中にホームクッキングが増えたため、スーパーでは今までオンラインで提供してなかった食材もオンライン販売の需要が増加していると『Modern Retail』は伝えている。また、幅広く顧客を集めるためにアジア系の料理を作りやすいDIYレシピキットも人気らしい。他にも、Umamicart以外にニッチなオンラインスーパーが最近伸びている。オーガニック商品だけの「Thrive Market」は2020年に30万人の新規サブスク登録者を増やし、合計100万人のメンバーシップを達成。CPGフォーカス「Boxed」は年間数百億の売上を突破した。そして同時にローカルやニッチなリアル店舗を抱えるスーパーをオンライン化させるデリバリーサービスも増えている。アジア系の飲食のフードデリバリーサービスの「Chowbus」や「Southeast Asia Food Group」はローカルのレストランやスーパーと提携して成長しているそうだ。

How online Asian grocer Umamicart is trying to ride the online marketplace wave

コロナで成長したPangaia、次の一手は”素材”

次のAllbirdsと言われているサステイナブルなスエットを販売する「Pangaia」は、2020年では$75Mの売上を達成し、かつ黒字だった。Pangaiaは自社開発して特許をもらっているサステイナブルな素材を開発し、ファッション業界の著名人を創業メンバーとして抱えているため、オシャレで社会的意義があるブランドとしてパンデミックの最中、人気ブランドとなった。2019年に設立してからこれだけ成長した会社は中々ないが、今後の成長を保ち続けるのは会社の優位性である素材にある。『BoF』の独占取材によると、Pangaiaは、素材メーカーのB2B事業での成長を考えているという。特許の他に技術名に商標登録もしているため、Gore-tex、Lycra、Nylonなどの素材ブランドと似たポジショニングだ。今現在30ブランドほどと話しているとPangaiaは語るが、まだ市場に出ているパートナーシップはない。直近ではサステイナブルな素材メーカーのBolt ThreadsやMycoWorksが人気なため、Pangaiaと提携したいブランドや買収したい会社がいてもおかしくないだろう。彼らの課題は、B2B事業は時間がかかる中でスエットの人気が落ちているので、会社がスケール出来るのか、そして似た素材も事実存在している中で、どうやって素材業界で優位性を作るのか問われている。

Pangaia Won Over Consumers. Can It Do the Same for Businesses?

ラグジュアリーブランドがコンテンツキュレーターになっている理由

多くの大手ラグジュアリーブランドは、キュレーションに力を入れている。自社のフィードやユーザーの投稿を集めたInstagramガイドや他社ブランドを自社店舗で販売するなど、共有バリューを提供するのがトレンドだ。GucciやPRADA、バーバリーなどはInstagramガイドの可能性について探っている。Instagramガイドは、2020年11月にローンチした機能で、よりロングフォームのコンテンツの投稿が出来る機能。キュレーションはすでにTumblrやPinterestで流行っていた。PinterestではStory Pinsというロングフォームのストーリーテリングが出来る機能を検証しているが、ファッション業界ではInstagramが最も使われている。多くのブランドがInstagramを活用している中、ブランドはよりユーザーと繋がれるコンテンツが必要となると『Vogue Business』は言う。ファッションブランドは公開ムードボードを作ってアーティストやデザイナーをフィーチャーしたり、最新のコレクションのために参考にした場所、プロダクト、ルックスを見せることができる。ラグジュアリーショッピングをするユーザーほどプロダクトの裏のストーリーを知りたいので、Instagramガイドを活用するとよりエンゲージが出来るようになる。

さらに実店舗でもキュレーションが行われている。韓国のメガネブランド「GENTLE MONSTER」は、美容ブランド「Tamburins」やデザートブランド「Nudake」など、そしてアートの展示を店舗内に含めて販売。ブランドの商品をユーザーが求めているだけではなく、ブランドが象徴するムーブメント、思い、ライフスタイルに共感している。ブランドへの期待値は商品プロバイダーではなく、社会に何を貢献して、どういう目的で存在するのか、ちゃんとコンスタントに同じメッセージを発信しているのかが重要になっている。そのため、キュレーションする際にはプロダクトではなく、より深いストーリーや意味合いを持たせるのが重要となる。

Why content curation rules social


🎙 Podcast 08: コンテンツ x EC

今回は、コンテンツが重要になっている理由、そして面白かったブランドのコンテンツなどについて話しました🥣(Apple Podcastの方はこちら


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あのPoolside FMから、80sテイストな日焼け止めをローンチ

サイドプロジェクトとして始まった、80年代風のインターネットラジオ「Poolside FM」が日焼け止めブランド「Vacation」をローンチ。”世界で最も良い匂いの日焼け止め”というコピーをつけたブランドは、Poolside FMのチルな音楽と一緒にノスタルジア溢れるクリエイティブや色合いが完璧だ。サイトには、ブランドの嘘の役職(「Head of Karaoke」や「Breakfast Buffet Specialist」など)になれる「デジタル名刺」の特典があったり、遊びのあるトーンを出しているからこそユーザーから愛されているのだろう。ちなみに、ローンチ初日に1万以上のデジタル名刺が作られたそうだ。

Editor’s Note

まず、日焼け止めはカテゴリーとしてホットになっている。最近ではGlossierが自社商品をローンチしたり、最近上場申請を出したHonest Companyでも出している。未だに日焼け止め領域だと大手プレーヤーしかいないため、D2Cブランドからの参入が期待されている。そして同時にアメリカではコロナのワクチンを受けた人がかなり進んだ中で夏の国内旅行が盛んになると言われている。そこで新しい日焼け止めブランドをローンチするのは非常にタイミングが良い。そしてVacationの「デジタル名刺」は、ユーザーを勝手にアンバサダー化させるマーケティング戦略であり、デザインもノスタルジアを引き寄せる魅力的なもの。音楽サービスだったPoolside FMからそんなに離れていないカテゴリーだからこそ、CEOのマーティさんがやる意味も分かる。何よりPoolside FMらしく楽しくプロダクト化できるかの検証になれる。場合によってはこれをドロップ式にして冬には違うプロダクトもローンチできる。タイミング、カテゴリー、ブランド、マーケティング、そして柔軟性が揃っているからこそ成功したブランドローンチだと思われる。—— 宮武

Launch stories: Vacation by Poolside FM


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