🎊 Happy New Year! 2024
今年1回目のニュースレターでは、CEREAL TALK編集部の注目のブランド、気になるトレンドも予想。
Yujiro Numata (@numauer)
🔮TRENDS 2024 ソフトウェア費用の高騰に対するブランドの反発と乗り換えの活発化
資金調達環境の悪化によるブランドの利益重視姿勢を背景に、e-commerce・リテール系ソフトウェアのコストに対してブランド側が引き続き神経質になり、シンプルな機能であればAIを活用して自社開発したり、Klaviyoに対してのSendlaneのような廉価版に乗り換えたりする。特に、売上に対して%課金を行うソフトウェアはその価値を厳しく見られる。同じくコスト削減観点で、今年もエンタープライズ規模のShopify移行が増える。
🔮TRENDS 2024 ② ブランドの生成AI活用が着実に広がる
生成AI業界全体では短期的には浮き沈みがあるかもしれないが、ブランド側はクリエイティブ作成・カスタマーサポート・分析などの面でのAI活用及びトレーニングが静かに進んでいく。AIにより多くの情報にアクセスさせるために、サイロ化されていないテックスタックがこれまで以上に重要になる。
既にShopify App StoreにAIカテゴリが作られたが、Shopify自身がチャットインターフェースの分析ツールをローンチするかもしれない。
《他に予想・注目しているトレンド》
・広告系のエージェンシーの機能として、メディアバイイングよりもクリエイティブの多様性の実現に比重が移っていく
・ShopifyのShopアプリ内でブランドの広告出稿が可能に。また、ShopifyアグリゲーターのOpenStoreもリテールメディア事業に参入。FarfetchやMatchesもテストし始める
・生成AIによる制作コストの低下によって、ブランドの3Dコンテンツが増える
・シェアリングエコノミーの新潮流として、マイクロフルフィルメント(個人宅での保管・発送作業)が普及し始める
・Apple Vision Proの登場によってオンラインストアのUI/UXがリアルに近づく
Tetsuro Miyatake (@tmiyatake1)
🔮 TRENDS 2024 クリエイターブランドの普及と失敗
去年はLogan PaulとKSIのスポーツドリンク「PRIME」が2年目で$1.2Bの年間売上を達成した。それ以外にもMrBeastのFeastablesは$100M以上の売上を達成したと思われ、Kim KardashianのSkimsは$750Mの売上、Selena GomezのRare Beautyは$300M以上の売上を達成したと思われている中、クリエイターブランドへの注目度がかなり上がっている。そのため、今年は多くのクリエイターは事業化を行おうとするはずだが、ほとんどが失敗する。自分のロゴをどんな商品にでも付け加えたら売れると勘違いするクリエイターがいる中で、成功するのはしっかいとチーム作りとプロダクトにフォーカスしたクリエイターとなる。D2Cエコシステムへの出資額が落ちる中、クリエイターブランドへの出資額は上がるので、多くのD2Cオペレーターはクリエイターブランドの従業員になったり、立ち上げ支援を行う。
💁 RECOMMENDS [BRAND] Corteiz、Minted New York
今年の成長に期待している2つのブランドはイギリスのストリートウェアブランドCorteizとニューヨークのファッションブランドMinted New York。Corteizは去年のOff Topicポッドキャストでも紹介したことがあるが、物々交換の企画を行ったり、去年はNikeとコラボなどをする次世代ブランド。Minted New Yorkはランニングコミュニティを軸にしながら週次で創業者が裏方のオペレーションを紹介して成長している。両社とも恐らく資金調達はしていないが、かなりコアなコミュニティが作られている。今後の次世代ブランドはよりカルト的な初期コミュニティが必要と考えいる中、この2社のブランドがそれを象徴しているように感じた。
《他に予想・注目しているトレンド》
・Shopifyが遂にマーケットプレイス化してAmazonの競合になるのか?
・TikTok Shopがアメリカで初のソーシャルコマース領域の成功事例になるのか?
・Vision Proの影響で「記憶再現」の体験作りが注目されるのか?
・Glossier/Awayなどはどのようにエグジットするのか?
・OlipopやPoppiはコカ・コーラもしくはペプシに買収されるのか?
Miki Kusano (@mikikusano)
🔮 TRENDS 2024 複数拠点で生まれるブランドの世界
ブランドのアイデンティティは、その人やその場所や文化のブランドに強く紐づいている。それはコミュニティの醸成という意味から、ECの運営オペレーションという意味でも関係性があるが、その壁はさらに感じなくなくなってくると思う。例えばニットアンダーウェアブランド「JUUKIFF」は、韓国出身のJOOMI HAと日本出身のカワイルカが手掛け、2拠点で展開。ふたりは留学先のセントラル・セント・マーチンズで出会い、リモート環境で服を作ってるそう。ポッドキャストでもよく話に出るスポーツドリンクブランドPRIMEのふたりもアメリカ人とイギリス人のトップYouTuberだった。制作から販売までのハードルが下がっている中(もちろん品質も大事)、唯一無二のブランド哲学と販路戦略は理にかなってるのかもしれない。
🔮 TRENDS 2024 ② フレンドリーであり、ユーモアセンスがあること
オーセンティックさ(リアル・ありのまま的な)やフレンドリーであること以上に、さらに”ユーモアセンス”がブランドや企業がさらに好まれているのではないかなと思います。ここ数年流れはすでに来ていますがユーモアを語る上で、サイクルが速くなりつづけるトレンドに対してどう表現するかという、期待されている中で絶妙なMemesを作れたり、独自のおもしろさが特に欧米では必須なんだなと思いました。
《他に予想・注目しているトレンド》
・ミドルレンジのガジェット系ブランドの盛り上がり
・紙媒体(雑誌など)の回帰
・会社ではなく、コミュニティプロジェクトという形
・新興ブランドでもK-POPスターの起用増加しそう
・マクドナルドなど欧米老舗食品・ファストフードが季節限定商品を増やしてきそう(日本ぽくなる?)
・食べ物ブランドじゃなくても、食を扱うジューシーなプロップ・コンセプトの増加