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#16 クリエイター達の共同生活「コンテンツハウス」を活用する企業
B Corp企業のIPO、評価は厳しい?、H&Mがサステイナブル素材スタートアップに投資をしている理由、注目されるベビーブーマー世代の新興ブランド
『CEREAL TALK』は、米国の次世代ブランドや小売、ニューラグジュアリーにフォーカスしたメディアです。毎週月曜日の朝にニュースレターをお届けしています🥣 by 沼田 雄二朗(@Numauer), 宮武 徹郎(@tmiyatake1) and 草野 美木(@mikikusano)
🥣 Briefing
クリエイター達の共同生活「コンテンツハウス」を活用する企業
Z世代向けのファッションブランド「Finesse」は、9名のTikTokクリエイターと提携し、彼らを3ヶ月間ロサンゼルスにある家で共同生活し、Finesseの商品を毎日コンテンツ配信をして話題性を作ろうとしている。実はこのような「コンテンツハウス」と言われるやり方は過去にもあった。過去にはeスポーツチーム「FaZe Clan」、YouTuberが集まった「Team Ten」、そして最近ではTikTokerのコンテンツハウスが急増している。同時にコンテンツハウスとコラボするブランドも増えている。AmazonやReebokはZ世代にリーチするために複数のTikTokハウスと提携したり、Fenty Beautyは自社のTikTokハウスまで作った。オーディエンス作りと親近感をブランドが作るためには最適なマーケティング戦略として言われていて、最近ではラグジュアリーブランドも活用し始めている。有名TikTokerが集まるコンテンツハウスのメンバーをルイ・ヴィトンがスポンサーしたり、TikTokフォロワーNo.1のチャーリー・ダミリオは、プラダと独自コンテンツを配信した。Finesseはコンテンツハウスを「ブランドアクティベーション」として活用していると創業者のラミン・アマリさんは『Vogue Business』の取材で語る。複数のサブカルやコミュニティにアピールできるように、幅広いクリエイター層を活用している。今後もブランドのローンチやマーケティング予算を一人のインフルエンサーではなく、コンテンツハウスに寄せる可能性がある。
B Corp企業のIPO、評価は厳しい?
Allbirdsが上場に向け、投資銀行と話を勧めていると『The New York Times』などで噂されている。Allbirdsは、2020年9月に$1.7Bの時価総額で調達。直近では、Honest Companyの上場、Warby Parkerも上場準備をしているなど、D2Cブランド達がエグジットへを動き始めている。昨年上場したCasperは低評価だったのと比べて、今は公開市場がホットなので、上場検討するブランド増えているかもしれない。Allbirdsは、環境や社会コミュニティに良い事業をしている営利企業を証明する「B Corp」認証企業だが、過去事例を見るとあまりB Corp認証企業が高く評価された会社は少ない。Etsyも元々B Corp認証企業だったが、上場して批判されてBコーポレーションのステータスを外した。ただ、オーツミルクOatlyの上場申請資料にも記載があった通り、今は環境問題に対して強い意志を持っている会社が評価され始めているので、Allbirdsも高く評価されるかもしれない。
H&Mがサステイナブル素材スタートアップに投資をしている理由
H&Mグループが投資をしている、生地のリサイクル事業者「Renewcell」がスウェーデンで上場。初期株主であったH&Mグループは自社の持株を売るのではなく、さらに追加投資を行った。このサステイナブル企業への投資は、ファッション業界ではトレンドだと『BoF』は伝える。2017年にH&MがRenewcellに投資した以外に、2020年8月にラルフローレンは、リサイクルコットン「Natural Fiber Welding」に出資。さらにキノコを革製品に変える「Bolt Threads」にLululemon、ステラマッカートニー、アディダス、ケリングなどが出資。Bolt Threadsの類似会社「MycoWorks」も複数の大手ファッションブランドが2020年11月の$45M調達に参加したと言われている。このトレンドは環境に優しい商品を購入したいというユーザーの行動シフトとブランド自身が掲げている環境問題に対しての目標の二つの要素でサステイナブル企業に興味を持っている。ブランド側としてはリサイクル技術を先に活用できる特権をもらえるのが自社のマーケティングにも繋がっているのだ。
🎙 Podcast 10: ECのソフトウェアトレンド(後編)
今回は、フラクタ河野さん(@TakaKouno)をゲストにお迎えしたECソフトウェアトレンド後半です!移行ツールや自動化ツールのトレンド、デジタル世界の購買体験の可能性などお話しました🥣(Apple Podcastの方はこちら)
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注目されるベビーブーマー世代の新興ブランド
ミレニアルズやGen ZをターゲットにしたDTCブランドが盛り上がる中、意外と見過ごされている40-50代以上をターゲットにしたブランドが増えている。2020年10月にイギリスでローンチされた「Lagatta(ラガッタ)」は、創業者のモダンでスタイリッシュな母親(53歳)がほどよいアクティブウェアを探した際、露出が激しいか、もしくは極端にゆったりしていてダサいものしかなかった経験が立ち上げのきっかけに。実際、アメリカ全体の1/3が50歳以上、いわゆるベビーブーマー世代も7,500万人もいる一方で、彼らをターゲットにした広告は5%に過ぎず、「自分たちはブランドから無視されている」と感じる人が多い。
『Thingtesting』によると、Lagattaの他にも高めの年齢をターゲットにしたブランドは下着のWillow、パーソナルケアのWomaness、State Ofなどがあるが、ミレニアル世代がターゲットのブランドでも実際は上の世代が結構な割合を占めていることも。心は若いままだが体やニーズが変わりつつあるこのような顧客たちの深い理解が最も重要だが、SNSではあまりアクティブではなかったり、過去に経験した誇大広告や過剰なマーケティングのアレルギーのため良いと思えないプロダクトに対して若い世代より厳しい。しかしながら、一度気に入った製品は買い続けるという側面もあり、「獲得するのに時間はかかるが長期で見ると素晴らしいロイヤルユーザーになる」とLagattaのCEOは語る。
Editor’s Note
若い創業者が自分自身の課題を解決するためにブランドを始めたり、新規獲得は主にデジタル広告が常識になっているDTC業界では、ミレニアルズより上の世代向けというのは穴場になっているようです。
インクルーシビティがより重視され、iOS 14の新ポリシーによるSNS広告のパフォーマンス低下がさけばれる中、一度満足してもらえれば上顧客になってくれる彼らをターゲットにするブランドがさらに立ち上がってくるかもしれません。——沼田
Building for boomers? These brands are looking beyond Gen Z and millennials
📰 News
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