#19 Everlaneの次なる進化

バイラルコンテンツとして注目されるミステリーボックス、ブランドがなぜQRコードを使い始めているのか、今米国VCがDTCをどうみているか?、EtsyがZ世代向けショッピングアプリDepopを買収


『CEREAL TALK』は、米国の次世代ブランドや小売、ニューラグジュアリーにフォーカスしたメディアです。毎週月曜日の朝にニュースレターをお届けしています🥣 by 沼田 雄二朗(@Numauer), 宮武 徹郎(@tmiyatake1) and 草野 美木(@mikikusano)


🥣 Briefing

Everlaneの次なる進化

「Radical transparency(徹底した透明性)」を2017年に商標登録までした「Everlane」はD2Cの代表的なブランド。ミッションファーストなブランドとして生まれたブランドだが、ここ数年では批判の声が多くなっている。サステイナビリティにフォーカスすると言いながら、目標に対してのアップデートも少なく、中のオペレーションとマーケティングのメッセージに矛盾があるのではないかという声が広まっている。そして元々オフラインの店舗は一切出さないとCEOが言及していたが、今では売上の多くが実店舗から来ている。そのため、コロナの影響で2020年の売上はフラットで終わった。業界のファーストムーバーだったのに、今では遅れているブランドに見えてしまっている。

そんな中、もう一度信頼を取り戻す動きが出ていている。2020年9月にはLVMH配下のL Cattertonから$825Mの時価総額で$85Mの出資を受けた。そして同時にナイキの経営メンバーをCMOとして採用、ユニクロのグローバルクリエイティブディレクターも採用。『BoF』の記事では、L Cattertonのパートナー曰く、Everlaneをアメリカを代表するアパレル事業にして、10年後には$1Bの売上を超えていたいと目標を立てている。そして直近では環境問題の目標設定のアップデートや社内プログラムの制度を強化して信頼を取り戻している。それが売上にも影響しているように見える。4月にEverlaneは水着ラインをローンチしたが、売上計画を90%超えたヒット商品となった。Everlaneとしては過去最高の女性商品のローンチ実績となった(過去の最高女性商品のローンチはデニムで初日に$1.2Mの売上を達成)。2021年の売上計画は2020年から25%増。Everlaneが最終的にアメリカを代表するブランドになるかは分からないが、もしかしたらここ数年の課題を乗り越えられたのかもしれない。

Beyond Disruption: Everlane’s Next Chapter

バイラルコンテンツとして注目される、ミステリーボックス

昔から開封動画は人気だったが、最近は動画にしやすい開封体験をマーケティング試作としてブランドが作っている。『Modern Retail』では、特に人気な「ミステリーボックス」の事例を紹介している。ミステリーボックスではブランドが自社プロダクトを複数バンドルして認知を獲得しながらバイラルコンテンツを作れる戦略だ。中でもTikTokでミステリーボックスを活用して人気になったのがおもちゃブランド「Zuru」。一つの箱の中に300種流のおもちゃから5つランダムに入れている。リピート購入させるために数個のおもちゃをレア商品にしている。その影響でTikTokで10億再生回数を超えて、2020年の売上が500%増。ピーク時は1秒に2個のおもちゃ、1週間で40万個以上売れていた。

Zuruの影響で他のブランドもミステリーボックスを試している。アパレルブランドのIvory Ellaは$50と$100の「サプライズボックス」を販売して、場合によっては販売価格の倍以上の服を入れている。2020年12月にはファッションスタートアップのScarceもミステリーボックスを活用して商品販売を行っている。ミステリーボックスの一つのネガティブな要素は高い返品率だが、Scarceは5%の商品しか返品されていないと語る。TikTokでは開封動画に特化したインフルエンサーも増えている。TikTokユーザーのcourtchaosさんは開封動画だけで360万人以上のフォロワーを集めた。

To engineer virality, brands are making their own mystery boxes

ブランドがなぜQRコードを使い始めているのか

ニキビパッチの「Hero Cosmetics」がテレビで紹介されたときにQRコードを見せたことで、売上が1日で70%増した。過去にはアメリカでQRコードを上手く活用したキャンペーンは少なかったが、今はサンプル商品にQRコードを入れてリピート購入をさせるなど利用が増えていると『Thingtesting』で紹介されている。他にもアパレルブランドのPangaiaは服にQRコードを入れてその商品の二酸化炭素の排出量の情報を提供。スキンケアブランドのcocokindも同じくパッケージにQRコードを入れてcocokindが環境問題に対してどういう取り組みを行っているかを顧客に教育するページを用意。ビューティーブランドのflorence by MillsはSnapchatのQRコードを入れてAR上でメイクを試せるようにしたり、CBDドリンクのRecessはゲームに誘導させている。独自の体験を提供しようとしているブランドが増えているため、QRコードの使い方が幅広くなっている。今後も情報提供を行ってブランドの愛情を深めるユースケースと再購入に導くコンバージョンにフォーカスした二つの種類の利用法が増えると思われる。

Why brands are putting QR codes on everything


🎙  Podcast

#14 今米国のVCがDTCスタートアップをどうみているか?

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EtsyがZ世代のECアプリDepopを買収

ECサイトEtsyがロンドン発のECアプリ「Depop」を約1781億円で買収を発表。Etsyは、ハンドメイドや古着・ヴィンテージ品に注力し、Depopコミュニティを成長し、リセール市場の拡大を目指す。Etsyの売り手の平均年齢は39歳、一方Depopのアクティブユーザーの場合だと、ほぼ90%が26歳未満。若い世代からの圧倒的な支持を持つDepop。『Vogue Business』では、ファッションブランドは、最も声を大にして価値観を大事にするZ世代のお気に入りなるためにますます競争を繰り広げていると紹介されている。

Editor’s Note

Depopは、最近世界のZ世代のユーザー2,000人以上に調査したレポート「Depop Gen Z Report」も必見。調査対象の75%が衣類の消費を減らしたいと思っている。と同時に、回答者の半数以上が一点ものの商品を探すために購入し、45%がトレンドに乗るためにDepopを利用している。中古品はサスティナブルであり、クールでもあるのです。リセール市場の盛り上がりが続いていることは過去のCEREAL TALKでもご紹介していますが、引き続き注目していきたいです。——草野

Depop Gen Z Report


📰 News

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