#20 sweetgreenが大坂なおみと提携する理由

Instagramはまだショッピングする場所になっていない、Snapchatが目指すARを使ったECマーケットプレイスの未来次世代ファッションのビジネスモデル「リアルタイムリテール」の流行


『CEREAL TALK』は、米国の次世代ブランドや小売、ニューラグジュアリーにフォーカスしたメディアです。毎週月曜日の朝にニュースレターをお届けしています🥣 by 沼田 雄二朗(@Numauer), 宮武 徹郎(@tmiyatake1) and 草野 美木(@mikikusano)


🥣 Briefing

sweetgreenが大坂なおみと提携する理由

これまで全仏オープンに欠場をする選手はスポンサーとの関係性を悪化させていたが、今ではブランド側は違う期待値を持っていると『Adweek』は報じている。メンタルヘルスの課題をオープンにした大坂なおみ氏に対してブランド達は応援するメッセージやアクションを表明した。瞑想アプリCalmは、メディア出演の約165万円の罰金を肩代わりすると宣言。サラダブランド「sweetgreen」は、5月上旬に初めて著名アスリートとして大坂なおみ氏と複数年契約を提携し、投資家としても参加。今まではスポーツとフードブランドのマーケティングは、ダイバーシティやメンタルヘルス、男女差別など社会問題について発言するような事はしなかった。それを変えようとしているのが大坂なおみ氏とsweetgreenだ。特に最近は顧客がブランドが社会問題に対してどう思っているかを気になっている中、sweetgreenは次世代フードブランドとして新しいコミュニケーション方法をとり始めている。

Naomi Osaka’s French Open Withdrawal Illustrates Why Sweetgreen Considers Her Its Ideal Marketing Match

Instagramはまだショッピングする場所になっていない

アプリ上で直接プロダクトを購入可能にする「Instagram Checkout」がローンチしてから2年、多くのブランドはInstagramを活用して購入まで至るユーザーは少ない。Instagramは2019年春にファッションのディスカバリーだけではなく、コマース機能を入れて大手ブランドを引き寄せたが、Instagramのアプリでは商品とブランドの情報が足りなすぎて購入まで至ってない可能性が高い。2クリックで購入できる分、ブランドのサイトには存在するサイズ・素材・詳細写真情報などがInstagramアプリ上ではない。結局サイトに行って詳細を確認するユーザーもいると『BoF』の取材でブランド担当者が語る。Instagramで売上のコンバージョン率を上げるにはストーリーズにて広告を出して、ユーザーにスワイプさせてサイトへ誘導させた方が効率的かもしれない。商品数が少ないブランドやトレンドアイテムなどであれば、Instagram Checkoutは便利かもしれない。LA発のファッションブランド「Simon miller」は、この機能により2019年4月から500%成長。さらにDrops機能などを活用してCheckoutの利用が少しずつ増えているそうだ。

Why Instagram Still Isn’t a Shopping Destination

Snapchatが目指すARを使ったECマーケットプレイスの未来

Snapchatが開催したイベント「Snap Partner Summit 2021」では、どのブランドも作れるアプリ内店舗を発表した。そして、そこにプロダクトカタログとARフィルターを導入してアプリ上でユーザーが購入できるようにもした。『Modern Retail』によると、アメリカのZ世代で最も使われるアプリとして、Snapchatはメッセージプラットフォームだけではなく、ECマーケットプレイスに進化しつつあるという。プロダクトの3Dスキャンをカタログとして追加するとユーザーはARレンズとして活用できて、APIツールなどによって在庫切れになった商品のARレンズを非表示にすることも可能となる。さらにFarfetchはSnapchat上でARレンズだけではなく、音声で商品検索が可能になった。「ジャケットが欲しい」と言うとFarfetchのカタログからジャケットを選び、「柄が入って物が良い」というとその商品を勝手にSnapchatが見つけてARレンズにて試せる。さらにフィッティング制度も上がったため、時計やメガネのARフィルターも使えるようになった。

Snapchat以外もアメリカの最大リテール企業のWalmartがARコマースの可能性に賭けている。5月にバーチャル上で服を試せるアプリZeekitを買収した。実際にコンバージョンには繋がらなくても、ディスカバリー、そして返品率の削減に繋がるためにAR技術に投資するブランドがこれから増えそうだ。

Snapchat is doubling down on commerce features


🎙  Podcast

#15 コラボで重要なのは、今の文化に対して何を示すか

今回のテーマは、「コラボ文化」について、コラボコレクションをするとき自問すべき質問リスト、面白かった事例、コラボをしなきゃいけない文化とTikTokなど話をしました。他話した一部トピックはこちらです👇(Apple Podcastの方はこちら

GAPがカニエ・ウェストのコラボコレクションを発表 / 今の文化に何を示したいのか / キーワードは「キッチュ」? / テルファーのバッグ / ペンキブランドとダンキンドーナツのコラボ / コラボするときにすべき質問 / hausのレストランプロジェクト / マクドナルドとBTSコラボ / リック・アンド・モーティ上で過去のマクドナルドのナゲットソースが話題に / コンテンツ消費の加速 / addidasとallbirdsのコラボが示していること

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次世代ファッションのビジネスモデル「リアルタイムリテール」の流行

最近$47Bの時価総額で調達した中国発ファストファッション「SHEIN」の成功を見て、次のファストファッションブランドを目指す企業が増えている。SHEINと類似サービスのCiderは6月にAndreessen Horowitzなどから$22M調達、そして3月には元Alibaba従業員が設立した水着のファストファッションブランドのCupsheが$15M調達している。2010年代に流行り始めたFashion NovaやBoohooがスピードと価格でZaraやH&Mに挑んだように、中国のローカルの工場の先進技術やソフトウェアを活用して猛スピードで商品開発を行いながら、インフルエンサーなどを活用してユーザー獲得を行なっている。そのスタンダードがSHEINだ。例えばCiderだと毎週数百個の新しい商品をスモールバッチでサイトに載せて、人気度によって大量生産している。SHEINと同じようにソフトウェアを活用してサプライチェーンの自動化・管理を行いながら、DTCブランドみたいなブランディングを行なっている。今後のファッションの将来はSHEIN的なブランドになると思われている中、CiderなどはSHEINより素材の品質の高さで勝負している。ただ、今のZ世代を見ると、毎日のように新しいトレンドを追いかけて新しい自己表現方法を探している中、SHEINのようなファストファッションはかなり相性が良いと思われている。

Editor’s Note

SHEINやCiderは今までアメリカのECサイトやブランドでは経験できないエンタメ体験を提供できている。ストリートウェアカルチャーのドロップマーケティングを活用しながら、インフルエンサーと動画で商品紹介や、SHEINのアプリ内で人気アーティストのLil Nas XやKaty Perryとライブコンサートを開催した。中国のサプライチェーンの強みとアメリカのブランディング・マーケティングの強みを両方活かしたサービスは中々リプレイスが難しくなる。特に今後クオリティの向上、そしてCiderみたいにFedExと提携して配送時間の短縮を行えば、どのアパレルブランドも勝てなくなってしまうかもしれない。これアジア、特に中国から生まれた新しいビジネスモデル「リアルタイムリテール」と「ショップテインメント」と言っても良いだろう。具体的にこの新しいビジネスモデルやSHEINの詳細を知りたい方は、こちらのポッドキャストをお聞きください。 —— 宮武

The Search for the Next Shein


📰 News

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