#21 レストラン提携で伸ばす飲食系DTCブランド

スニーカー心理学、ナイキのボルトカラーはなぜあの色?、即日配送よりも事前注文を行うブランドが増えている、DTCブランドのホールディングス「Pattern」60M調達、新たにGIRを買収を発表


『CEREAL TALK』は、米国の次世代ブランドや小売、ニューラグジュアリーにフォーカスしたメディアです。毎週月曜日の朝にニュースレターをお届けしています🥣 by 沼田 雄二朗(@Numauer), 宮武 徹郎(@tmiyatake1) and 草野 美木(@mikikusano)


🥣 Briefing

レストラン提携で伸ばす飲食系DTCブランド

飲食DTCブランドが卸業に入る際にはWhole FoodsやTargetなど大手リテール・スーパー店舗から始まることが多いが、『Retail Brew』によるとアルコールブランド「Haus」、ソースブランドの「Fly By Jing」、そしてコーヒーブランド「Parlor Coffee」はレストランのメニューに注目商品として掲載されている。Fly By JingとParlor Coffeeは、DTCブランドが集まる小売店のNeighborhood Goodのオースティンの店舗内レストランで頼める商品になっているそうだ。3社とも目的としては卸を行うDTCブランドと同じく、オンライン層以外での認知と拡大。ただ、大手リテール店舗の棚で複数の競合と戦うより、限られたレストランメニューの方がディスカバリーにつながると信じている。さらにユーザーはそのDTCブランドとの性格が合うレストランで出会えるので、よりコアユーザーをターゲットできる。Hausに関しては既にレストランで試したユーザーからオンラインにて注文があったと語る。

Digitally native food and beverage brands explore restaurant partnerships

スニーカー心理学、ナイキのボルトカラーはなぜあの色?

スニーカー熱が今まで以上に人気になっている中、多くのスニーカーブランドは新商品を販売する際に、色合いを使って特定の感情を引き出そうとしていると『The New York Times』のコラムが面白い。昔から色と感情の関係性は研究されてきている、例えば製薬会社は期待する薬の効果によって錠剤の色を変えている(睡眠薬は青か緑、抗うつ薬は黄色)。New Balanceのコンセプトデザインと戦略を担当するジェニー・ロス氏は商品に対しての潜在意識の判断は数秒で行われていて、その7割から9割は色だけで判断していると言う。最近では、無意識に色を特定のファッションブランドや文化に繋げている傾向にある。エルメスのオレンジ色、ティファニーブルー、他にもゴールドとパープルの組み合わせを見るとバスケチームのロサンゼルス・レイカーズを思い浮かんだりする。そのため、スニーカーは自社ブランドのコアな色と意外性のある色合いを組み合わせることが多い。New Balanceはグレーをベースにすることが多いが、グレーの中でも複数のレイヤーがあり、各レイヤーにパーソナリティーを与えている。逆にNikeは、ネオンライム色のボルトカラーのスニーカーを2012年のオリンピックで披露した。なぜこの色だったかというと、Nikeの研究によると、人間は目の光受容体で一番最初に読み取る色は明るいライム色と分かったからだった。そして最近では、何かをリファレンスした色合いを使うのが多い。過去のテレビ番組やゲームを活用したスニーカーは人気。プーマは、ルービックキューブをイメージしたスニーカーを開発したこともある。このように新しい商品開発する際にはスニーカーブランドのような「カラーセオリー」を考えながら行い、顧客を無意識的に購入判断に至らせるのも戦略的に考えても面白いかもしれない。

The Secret Psychology of Sneaker Colors

即日配送よりも事前注文を行うブランドが増えている

当日配送を可能にしたAmazonがいる中、逆走して事前に顧客からお金をもらって商品生産するまで待ってもらう戦略を取っているブランドも多い。『Thingtesting』によると、アパレル領域だとイギリスのPaynter、フランスではAsphalte、アメリカではFame and Partnersが事前注文を行っている。理由は無駄な在庫を抱えたくないから。そのほかにローンチ時に事前注文を行うブランドもいたり、それ以外にブランドが新しい商品ラインナップを紹介するときに事前注文を行うケースもある。キッチンウェアブランドのKanaは新しい鍋プロダクトの事前注文キャンペーンを行っている。Kickstarterを使うブランドもいる。Kanaは複数の色をローンチしたかったが、どの色が良いのかを直接顧客に聞くために事前注文を行ったと言う。

Why brands are going big on pre-orders


🎙  Podcast

#16 エージェンシー作ったブランドホールディングPattern、ブランド買収へ

Patternとは? / 1からブランドを作る or 買収 / ブランドを作るのは再現性がないかも / 過去のピッチデックが記事で公開されたブランド具体的な買収条件 / 買収ブランドをShopifyに限定した理由

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DTCブランドのホールディングス「Pattern」60M調達、新たにGIRを買収を発表

Harry’s、Warby Parker、Everlaneを始めとした有名DTCブランドを手掛けきたクリエイティブエージェンシー「Gin Lane」が、ブランドのホールディングス企業「Pattern」に転向して2年。当初は3ヶ月から半年ごとに新しいブランドをローンチすることを目指し、実際にキッチン用品のEqual Partsのローンチから間を空けずに収納用品のOpen Spaceをリリースしましたが、ここに来て大きな戦略変更を行う。キッチン雑貨ブランドGIRの買収とともに報道されたのは、今後はゼロから自社で事業を立ち上げていくのではなく、既に数多あるブランド(特に200万以上あるShopifyストア)からPatternにフィットするところを買収するというもの。『Modern Retail』の記事では、過去のPatternのピッチデックが公開。買収検討の指標として、売上1,000万ドル以下で黒字、できればVCが入っていない会社に売上の0.5-1.5倍の値段をつけ、商材の種類や主力の商品数、NPSスコアなどかなり細かい指定を設けていた。

Editor’s Note

ちょうど最近、Harry’s(Gin LaneのDTCクライアント第1号)がインハウスでのインキュベーションに加えて買収も増やしていくことを発表していましたが、それと重なるところがあるものの、Patternは家での時間をよりよいものにするというコンセプトに当てはまるブランドを引き続き傘下にしていくようです。個人的には、以前Patternのオフィスを訪れた際、創業者の一人であるエメット氏自身が熱心にブランドとプロダクトの説明をしてくれた印象があったので、この方針変更は大きな驚きでした。
ブランドのインキュベーターは他にもいくつかありましたが、元GlossierのCOOが立ち上げたarfaはE-commerceソフトウェア(Headless Commerceのソリューション)にピボットし、LAにあったBrandableはブランドごとに異なる会社に買収され消滅してしまいました。この記事にもあるように、ブランドを次々と立ち上げるのは本当に大変ということなのかもしれません。最近急増している、Amazonセラーを買収していくロールアップ会社と比較されていますが、Shopifyストアの買収の場合、Amazonのアルゴリズムハックというようなわかりやすい共通の成功パターンがないため、上記のような細かい条件を設けてできるだけ変数を減らそうとしているように感じます。PatternやHarry’sが今後どのように進化し、新しいプロダクトとビジネスモデルを作っていくのか、Equal Partsの一ユーザーとしても非常に楽しみです。——沼田

When Gin Lane became Pattern Brands, things got harder - The New Consumer


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