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#41 ファッション企業がおもちゃ企業とコラボする理由
カテゴリー支配を考えるD2Cブランド、バーチャル試着ガイドの需要、Casper上場からファンド売却へ、リテールブランドが今後必要になる役職はTikTokエキスパート
『CEREAL TALK』は、米国の次世代ブランドや小売、ニューラグジュアリーにフォーカスしたメディアです。毎週月曜日の朝にニュースレターをお届けしています🥣 by 沼田 雄二朗(@Numauer), 宮武 徹郎(@tmiyatake1) and 草野 美木(@mikikusano)
🥣 Briefing
ファッション企業がおもちゃ企業とコラボする理由
Gucciの最近売り切れプロダクトはバッグでも、靴でもなく、車の形をしたおもちゃだった。Gucciは人気車おもちゃの「Hot Wheels」を販売するMattelと提携して、Gucciのロゴが入った1982年のキャデラック・セビルを作った。『BoF』によると、5,000個の限定販売で1個$120したおもちゃは4分で完売、最近はStockXなど二次流通サイトで$500で販売されている。Hot Wheels以外にも色んなおもちゃメーカーがファッションブランドをコラボしている。人形ブランドのAmerican GirlはデザイナーPrabal GurungやCarly Cushnieとコラボ商品を出したり、人気カードゲームのUNOはストリートウェアブランドのBapeやJustin BieberのブランドDrew Houseなどとコラボした。さらに11月にはおもちゃブランドのMGAはPumaとコラボを発表。
おもちゃ自体は子供向けかもしれないが、ファッションやビューティーブランドが提携する際には過去にそのおもちゃを遊んでポジティブな体験をした大人たちに売り込む、ノスタルジアマーケティングの一種。逆におもちゃブランドからするとイケてるラグジュアリーブランドなどとコラボできる機械でもある。様々なブランドは最近ポップカルチャーとのコラボを探している。BalenciagaはThe Simpsonsとコラボして実際のエピソードを作った。今後もバービー人形や象徴的なおもちゃと提携するブランドが増えそうだ。
カテゴリー支配を考えるD2Cブランド
2016年にローンチしたD2Cブランドは当時2種類のプロダクトしか販売しなかった。5年後の2021年では未だにその2つのプロダクトが人気商品のままだが、Rothy'sはその2つのプロダクトを活用してプロダクトのラインアップを拡大した。2018年に子供向けの靴に展開、2020年にはハンドバッグ、2021年にはアクセサリーとメンズ向けの靴を販売。2020年だけで新規プロダクトを30個販売しながら黒字化を保てた。Rothy's以外にも1つや2つのプロダクトからスタートしたD2Cブランドの多くはライフスタイルブランドへ進化した。Awayはスーツケースからトラベル領域のプロダクトへ、Casperはマットレスからシーツやベッドフレームまで、Starfaceはニキビパッチからスキンケアプロダクトへと展開。
『Thingtesting』は、一つのプロダクトからライフスタイルブランドになる理由について話している。まずはよりユーザーが色んな形でブランドと接する機会を与えると認知される。Rothy'sは2020年に50万人の新規顧客を獲得したが、多くは新しいプロダクトのローンチで入ってきたとのこと。今年上場したAllbirdsもブランド認知を上げるために新しいプロダクト展開をすると言っている。
Why direct-to-consumer brands are focused on category domination
バーチャル試着ガイドの需要
インターネット上でより複雑なサービスなどが提供できるようになり、オンラインショッピングの人気も加速している。2015年の7.1%から2021年ではアメリカではリテール全体の15.3%がECからの売上となる。そして2020年では35.6%のアパレルはオンラインで購入された。ただ、オンラインでの購入が増える中で試着の需要は変わらない。そのため店舗ではたったの8.9%の商品しか返品されないのに、オンラインだと約3割の商品が返品される。それを解決するためにAR、アバター技術、バーチャル試着室などのサービスの需要が上がっている。『Morning Brew』によると、76%のユーザーはバーチャル試着サービスを活用した際により購入に自信を持てたと発言している。Gap、Walmart、Adidas、Nike、Macy'sなど多くの大手ブランドがこの領域に投資・買収し始めている。ただ、この技術がどう言う形でユーザーが使いやすくさせるかが課題となる。多くのユーザーは自分の体をわざわざ店舗やアプリでスキャンしたくない。ブランドからするとよりパーソナルやインクルーシブな体験を提供するにはより個々にフィットする服を提供するのが大事なので、今後どのようにこの業界が進化しているかは気になる。
🎙 Podcast
This Week’s Topic: Casper上場からファンド売却へ
今週のトピックは、マットレスD2CのCasperについて。上場時のS1資料を振り返りつつ、不安なサインはあったのか?、競合のPurpleなどの比較、要因など話をしました。他にも最近の気になるブランドなどエピソード後半で紹介しています。Apple Podcastの方はこちらから聴くことができます。
✏️ View
リテールブランドが今後必要になる役職はTikTokエキスパート
2021年夏には学生の新学年の準備を行うJanSportsはTikTokを活用したく、新しくZ世代の「Chief Mood Officer」を採用して毎週TikTokコンテンツを出せるようにした。Z世代コンサル企業のJUV曰く、TIkTokではプラットフォームにあった、ネイティブコンテンツを作れる人が最も重要。そのため、TikTokエキスパートの需要がかなり上がっている。Urban OutfittersやGrove Collaborativeなど多くのブランドは今現在TIkTok関連の採用を行なっている。TikTokでかなりフォロワーがいるChipotleなどは2019年に「lip flip」チャレンジを行なってバズった時からTIkTokに注力していて、自社でコンテンツ制作を行いながらクリエイターと提携している。Tula SkincareもTikTokスペシャリストを採用した際にTikTokフォロワーが30満員増えた。
Editor's View
短いスパンでTikTok特有の面白さやカット割を作るのは難しいので、Z世代のインターンや新卒にお願いするブランドが多い。最近だと教育サービスのDuolingoのTIkTokは素晴らしい。良い感じでTikTokトレンドや音声を活用していて、直近では同じフクロウのマスコットであるHootsuiteと嘘の喧嘩をするなど、本当にTIkTokネイティブなコンテンツ制作が出来ている。ー宮武
📰 News
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