『CEREAL TALK』は、米国の次世代ブランドや小売、ニューラグジュアリーにフォーカスしたメディアです。毎週月曜日の朝にニュースレターをお届けしています🥣 by 沼田 雄二朗(@Numauer), 宮武 徹郎(@tmiyatake1) and 草野 美木(@mikikusano)
🎊 Happy New Year! Hello 2022!
昨年での最後のポッドキャストでは、2021年リテール振り返りをFABRIC TOKYO森さんとCEREAL TALKメンバーで振り返りを話しました。聴いていただけましたか?サプライチェーン問題、勢いが増すShopify、メタバースとファッションなどなど新しいトピックがたくさん出来事がありました。
そして、1月は、新しい知識をキャッチアップしたくなりますよね。私は、本をたくさん買ってしまいました。。そんなわけで2022年の初回は、フォローすべきおすすめパーソンやトレンド予想やおすすめ本、最近買ったD2Cアイテムなどご紹介したいと思います。
今年も『CEREAL TALK』をよろしくおねがいします👋 ——草野
Yujiro Numata
💁 RECOMMENDS [PERSON] : 通称”The DTC Guy” Nik Sharma
米国DTC界の顔の一人で、「Hint Water」というフルーツフレーバー入り飲料水ブランドのグロース担当として実績を残した後、コンサルとして様々なDTCブランドの支援を行うほか、投資家としてもHaus, JUDY, Caraway, Levels, Omsom, Brightland, Settle, Snif, Sanzo, Tydo, Alloy, Co-opなどのDTC&ソフトウェア企業を投資先に持つ。ブランディング/SNS/メール/広告/ランディングページなど幅広いノウハウを盛り込んだニュースレターも配信しているのでオススメです。最近だと投資先やコンサル先のブランドの製品を購入可能なセレクト型のShopifyストアをローンチ(今回使われている、他のShopifyストアの製品を販売可能にするCanalも投資先)したり、NFTプロジェクトを始めたり、やることがいつもセンスあり注目しているのと、大変僭越ながら投資先がかぶっていることも多く勝手に親近感湧いてます。今年はNikアニキに会いにいきたい!(私のほうがだいぶオジサンですが、気持ち的にアニキです。兄さん)
🔮TRENDS 2022 ブランドのリセールプログラムの増加
昨年のニュースレターでも度々触れましたが、ブランド自身がリセールプログラムを始めるケースがさらに増えるのではないでしょうか。threadUPやTrove、Archive、FloorFoundなどのプラットフォーム/ソリューションを活用し、DTCブランドなどの非メガブランドにもこの流れが広まっていくと思いますが、一方で手間がかかりがちなリセールプログラムで利益を確保していくのは難しい(特に単価の低い商材)ため、何を目的にするのかが肝になっていくはずです。また、2021年はiOSのポリシー変更の影響でFacebookの広告パフォーマンスが低下したり、ECの急激な伸びによって配送コストが増えたりしてしまったため、卸に注力するDTCブランドが今年も増えると思います。TargetやWhole Foodsのようなリテーラーはもちろん、Co-opやCanalなど、オンライン上の面を増やせるソリューションも注目されると予想します。ただ、大手ブランドのDTC化もさらに進んでいくため、DTCか卸かという議論は終わり、どのようなバランスが自社のブランドにとって最適か考えるようになっていく気がします。最後に、個人的にはShopify Marketと呼ばれる越境機能拡充によるグローバルECの活発化に期待しています!まだ私のところのストアにはローンチされていないので、早く実装・運用してレポートしたいです。実家の海苔を世界へ笑
✨ RECENT FAVORITE ITEMS
最近、DTCのブックコレクションに加わったのは「THE MADHAPPY JOURNAL」。日々記入しながらよりハッピーになれるような内容になっていて、ブランドの世界観の一貫性を感じました。
Tetsuro Miyatake
💁 RECOMMENDS [PERSON] : Chris Cantino
P&Gに売却したD2Cデオドラントブランド「Schmidts' Naturals」の共同創業者であり、最近だとかなりWeb3 x CPGについてのツイートをする方。Off TopicやCEREAL TALKでも参考にしているD2Cコミュニティ「CPG Club」を運営している。2年ほど前からColor CapitalとWeb3やD2Cブランドに投資している自社資金で運営しているファンドをローンチ。今までItalic、Recess、Judy、Haus、Alloy、Popshop Liveなどに投資している。
🔮 TRENDS 2022 Web3領域に参入するブランドが増える
2022年はNFTをより活用するブランドが出てきます。特にロイヤリティプログラムをトークン化したり、NFTを咥えたりする大手ブランドが出てきてもおかしくないと思ってます(個人的な予想はスターバックス)。Soho HouseなどメンバーシップクラブがNFT化することも考えられます。そしてNFTを発行したブランドは他のブランドと連携してAirdropなどを行うことをオススメします。例えばホテルチェーンが宿泊者を増やすために他のブランドと連携して、そのホテルに宿泊した顧客に対して提携したブランドのNFTをairdropする事例も出てきそう。さらに去年末に起きたファンが勝手にOlive GardenのNFTを作ってバズらせた「Non Fungible Olive Gardens」のように、ファンが勝手にブランドをNFT化する時代になるかもしれない。そこでブランドはそのクリエイティビティを止めず、トレンドに便乗するのが良いと思います。NFTのコンポーザビリティを活用するCPGブランドが出てきそうなのと、セレブシェフや有名レストランがNFTを活用して資金調達する流れも出てくる気がする。
🔮 TRENDS 2022② 多くのブランドがバーチャル世界を作り、すぐにつまらなくなる
去年のGucci、Vans、Nikeのバーチャル世界の展開、そしてNikeのRTFKT買収を見て多くのブランドがメタバース領域に入る危機感を感じる。その影響もあって多くのブランドはRoblox、Fortnite、Coreなどのプラットフォームでブランドのバーチャル世界を作るが、その世界は一時的なポップアップのようなもの、もしくはそこまでインタラクティブではなく、スタンダード化されるようになり、ユーザーはすぐにブランドのバーチャル世界を飽きると予想しています。結局店舗やサイトと同じように、何かしら特別な体験を提供しないといけないため、何かしらユーザーが世界に貢献できる要素やユーザーが集まる理由を作らない限り、バーチャル世界は飽きられるとしになる気がします。やるのであれば早めに展開してある程度のトラフィックを稼ぐのが良いかもしれません。後々ジョインすると特別な体験が出来ない。オススメするのは第三者のコンサル企業ではなく、ゲーム会社やゲームデザイナーなどと直接連携すること。Robloxですと直接クリエイターと話して、ユーザーの参加型な体験を作ることを意識するべき。アクションを起こすとポイントを稼げる仕組みなど、ロイヤリティプログラムやリアル商品につなげると、よりユーザーがコミットしてくれるかもしれません。
Miki Kusano
💁 RECOMMENDS [PERSON] : Andrea Hernández
「Snaxshot」という食品系D2Cブランドのニュースレターを配信しているAndrea Hernándezさん。新しい食のトレンドを追っている彼女だからこその目線がとても興味深いです。Discordチャンネルを運営したりコミュニティ活動も積極的でメディアとしても参考にしています。プロダクトのレビューだけなく、消費のトレンドや新しい食べ物の背景にある文化、テイスト、これまでの歴史としていることが多く、食に興味のあるすべての人に刺さると思います!笑 ぜひチェックしてみてください。
📕 RECOMMENDS [BOOK]: コンヴァージェンス・カルチャー
年始に読んだ本で、メディアやコンテンツ、ポップカルチャー、ファンダムに興味がある方におすすめです。コンバージェンスとは、多数のメディア・プラットフォームにわたってコンテンツが流通することなのですが、映画『マトリックス』が映画メディアだけではなく、コンテンツとして成功したのかだったり、『スターウォーズ』しかりファンが探求できる遊び場を作ろうという話はWeb3の世界にも親しみのある考え方なのではと読んでいて思いました。本書の中で、文化が広まる歴史について「民族文化では制作者と消費者の間に明確な区別がない、コンバージェンス文化の中では参加者の地位や影響力はそれぞれ異なるものの、誰でも参加者になれる」というの話もこれからのインターネット的だなと思います。ファンとの関係性やファンによるクリエーションは重要なトピックだと思うので、おすすめしたいと思います🍃
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