#49 ブランドコミュニティの作り方
リファラル・ロイヤリティプログラムの未来、ニューヨークで最もホットなエリアはどこ?、sweetgreenのロイヤリティプログラムなど ニュース3選、こんなマスクの見せ方があったのか!
『CEREAL TALK』は、米国の次世代ブランドや小売、ニューラグジュアリーにフォーカスしたメディアです。毎週月曜日の朝にニュースレターをお届けしています🥣 by 沼田 雄二朗(@Numauer), 宮武 徹郎(@tmiyatake1) and 草野 美木(@mikikusano)
🥣 Briefing
ブランドコミュニティの作り方
『BANKNOTES』では、これまで2010年代半ばでは、会社は良いブランディングと低コストのユーザー獲得チャネルしか興味がなかった時代から、今では広告単価が高くなり、どのブランドも「Head of Community」や「Community Manager」を探し始めた考察をクレイトン・チャンバーさんが紹介してる。元Glossierのコミュニティを立ち上げて現在コミュニティサービスのGenevaで働くキム・ジョンソンさん曰く、これから出てくるブランドはコミュニティから立ち上がる。そして良いコミュニティを作るには三つの要素があり、それが民主化されたリーダーシップ、儀式、そして進化。一人が最初にコミュニティを作ったとしても、参加者にオーナーシップを与えて会話型なスペースにするのが大事。儀式とは毎週金曜日に楽しいことを話す会など、定期的に行うことをやり続けること。これによってユーザーのリテンションを保ちながら、伝統作りをする。そしてコミュニティとは常に進化するもので、Genevaなどで成功しているコミュニティは新しいチャネルを常に試している。強いコミュニティを抱えているブランドの事例はコミュニティからスタートしてプロダクト展開したAugustやテック業界だとPublicなど。気をつけないといけないことだと、そもそも何故コミュニティが必要なのか?を聞くことやメンバーの数ではなく、参加している人たちの目的を理解して、それに合わせた指標を考えるべきこと。
リファラル・ロイヤリティプログラムの未来
今現在のリファラルプログラムのほとんどは良くない。誰もブランドのサイトに行って、自分のアカウントページから「友達を紹介する」リンクを探してメールを記入したくない。そんなに頑張っても次のオーダーで$5オフしかもらえないプログラムが多い中、ゼロから考え直さないといけない。『Nik Sharma』のニュースレターでは、逆に2019年からアメリカでバズり始めたClubhouseのユーザーのオンボーディング事例を取り上げている。初期は招待制で、招待を受けた人のプロフィールに招待した人の名前が永久に刻まれる設計になっていた。このClubhouseの事例はリファラルした人のソーシャルキャピタルを増やす施策で、今後のD2Cリファラルプログラムが参考にするべきモデル。例えば知り合いにD2CドリンクのHausのクーポンの名前がパーソナライズされてあったり、配送した時にリファラルした人からのメッセージが含まれているとリファラルされた人は紹介してくれた人を思い出させるきっかけになり、それがソーシャルキャピタルに繋がる。
同時に多くのロイヤリティプログラムも課題を抱えている。今だと大体購入頻度や合計購入額に応じて何かしらのリワードをもらえる。これは結局ユーザーが余計に払わないといけなかったり、そもそもその特典にアクセスするために複雑なメンバーシップ登録方法を従わなければいけない。例えば四半期ごとにある一定額の購入があればギフトを送ることやある購入額を達成すると自動的にVIPプログラムに入って無料配送、新プロダクトへのアーリーアクセス権などを提供するとよりユーザー満足度に繋がる。こう言う形でこれからのブランドは他社と比較してもより便利で優れたリファラル・ロイヤリティプログラムを考え直さなければいけなくなる。
ニューヨークで最もホットなエリアはどこ?
20年前に人気だったマンハッタンのLower East Side(LES)がまた次世代ブランドが店舗を出すホットスポットになっていると『BoF』が伝えている。デザイナーのサンディー・リアンさんがフラッグシップストアを出す際にLESしかオプションはなかったらしく、最近だとLVMH PrizeのファイナリストのEkhaus LattaやBodeもOrchard StreetやLES辺りに店舗を出している。1990年代後半から2000年代前半ではこのエリアはニューヨークのリテール・ファッションの人気コンセプトストアがあった。中ではAlife、Seven、The Cast、Extra Butterなどが店舗を立てていた。LESにある店舗の特徴はどこにもない、一品物を探せる場所。限定商品、手作り、素材の裏のストーリーなどが重要なキーワードとなっている。Tommy Hilfigerの娘でFoo and FooのデザイナーのElizabeth HilfigerはLESで4回ポップアップを出していて、毎回出すときいウェブサイトやSNSのトラフィックが20〜30%増える。
過去にSoHoも同じように、チェーン店だけではなくてよりカルチャー性が強いブランドが多かったが、若者層を目当てにメインストリームブランドが集まり始めたのがOrchard StreetやLESがまた人気になったきっかけかもしれないし、今後LESでも同じことが行われる可能性がある。ホットなエリアだけで場所を選ぶのは良くないとは思うが、しっかりLESの歴史やコミュニティがフィットするブランドであれば、今最もホットな場所に店舗を出すのを検討するべきかもしれない。
🎙 Podcast
#41 sweetgreenのロイヤリティプログラムなど ニュース3選
今週のトピックは、最近の気になったニュースをそれぞれ話しました。sweetgreenの新しくなったロイヤリティプログラム「sweetpass」、有名ユーチューバーたちが作ったスポーツドリンクの凄さ、人気カウボーイブーツのD2Cとアメリカのニッチプロダクト市場など🔥(Apple Podcastの方はこちら)
✏️ View
こんなマスクの見せ方があったのか…!
コロナが流行してからインスタを見てて、あらゆるセレブが同じマスクを使ってることに気になってました(笑)正直ギフティングなのかは分かりませんが、カラフルなデザインとクリエイティブがとてもかっこいい。調べてみたら日本語の風からネーミングされた『KAZE』という折り紙にインスパイアされた3Dフィットと30種類以上のカラーが特徴の2020年7月に設立香港の会社が作っているよう。Amazon USで売っている普通のマスクが50枚で14ドル(約1,600円)なのですが、こちらは10枚で4,000円と高級マスク。コラボレーションも積極的で、面白いのがブランドではなくECサイトと限定アイテムを出しているところ。去年は、イギリスのラグジュアリーECセレクトショップ「MATCHESFASHION」とコラボ商品を公開。上記の写真にもあるように、食事のシーンの中でプロダクトを見せてるのは、元々マスクカルチャーがある日本ではあまり思いつかないクリエイティブですよね。日本では、パーソナルカラーに合わせたカラーマスクや肌色をきれいに見せる「血色マスク」が人気な一方、(値段的に大衆向けとは言えないですが 👀)アメリカとのニーズの違いは面白いです。ーー草野
📰 News
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