#50 リテール業界のデジタルリーダーに、アバクロの復活劇
クリニークのコアファン向けたNFTキャンペーン、D2C業界のトレンド in 2022、Liquid Deathが2021年に$3M分のグッズ販売を出来た理由、下着ブランドPARADEリサイクルプログラム、Adidas x PradaのNFT
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🥣 Briefing
リテール業界のデジタルリーダーに、アバクロの復活劇
日本でもアバクロという名前で人気を博していた「Abercrombie & Fitch」は、$4.5Bの売上があった2012年を境に5年連続で右肩下がり。それを変えるために、2017年に大幅リブランディングを行い、今では”リテール業界のデジタルリーダー”だと『Modern Retail』で紹介されている。売上が上向きになり始めたのは、2019年。オンラインデータを活用し、インクルーシブなサイズ展開、モダンなスタイルを取り入れた。2015年から顧客インサイトの特殊部隊を作り、今年は社内従業員向けのデータアカデミーをローンチ予定だ。”白人のイケメンブランド”というイメージから、マーケティングでインクルーシブなモデルやサイズをより表示し、ダイバーシティのあるインフルエンサーと提携している。数年前からミレニアル世代向けに3連休向けのアパレルを出し始めて、それもヒット。その影響もあってMadewellやTargetは似たコンセプトのブランドを立ち上げている。
4〜5年前では勘で運営していたビジネスは今では顧客が何を探しているのかを考えた、データドリブンなビジネスになったと言われている。アバクロは、100以上のデニムパターンを抱えて、出来るだけ早く顧客にフィットしそうなデニムをどう表示できるのかを考えている。今後もサイト内検索や良いプロダクトレコメンドを出来る施策を考えている。結果として若者層受けのブランディング + データを活用したマーケティング・体験向上を行った。
How Abercrombie is reinventing itself to become a digital retail leader in 2022
D2C業界のトレンド in 2022
去年はコロナやサプライチェーン問題があった中、多くのD2Cブランドが上場。『Retail Dive』では、2022年の6つのトレンドを考察している。ひとつは、エグジットとD2C企業のトレンド。去年にはSupergoop、Beyond Yoga、Sweaty Betty、Billieなどが買収された。D2Cブランドが成熟する中でエグジットの数も上がると予想される。同時に上場企業が増えた中でより黒字化やエコノミクスにフォーカスするべきプレッシャーをブランドが感じる年になると思われる。そしてD2Cブランドとはスタートがオンラインだけかもしれないが、オフライン展開が必須になってくるのが当たり前になる。リアル店舗は一つのマーケティングチャネルとして見られる。そのためD2Cチャネルだけではなく、卸チャネルのミックスがより要求される年にもなる。大手企業のNikeやアンダーアーマーは卸からD2C事業を強化、D2Cブランドは卸チャネルを強化する形になりそう。ブランドも成熟するとともにコンソリデーション化してPattern、Win Brandsなどホールディングスグループするトレンドも続くと思われる。最後にブランドとして成長するためのマーケティング戦略が劇的に変わらなければいけない年になる。
クリニークのコアファン向けたNFTキャンペーン
スキンケアブランド「クリニーク」がNFTを公開。しかし、それを販売するのではなく、ソーシャルキャピタルとして提供することを考えていると『Vogue Business』が伝える。クリニークのロイヤリティプログラム参加者が、InstagramやTikTok、もしくはTwitterで、キャンペーンのテーマでもある「オプティミスト(楽観主義者)についてのストーリー」をシェアすると抽選でNFT「Meta Optimist」をもらえるかもしれない。NFTをもらった人は人気商品「Black Honey」など10年分もらえるのだ。ロイヤリティプログラムに参加しないと、NFTをアクセスできないことによって、登録を増やし、さらにNFTを金銭的な物ではなく、ユーティリティがあるものに変えるのは非常に魅力的だ。ここ最近ではジミー チュウやHUGO BOSSなどフィジカルなプロダクトに繋がるNFTを販売し始めたが、さらにブランドとしてより重要になり始めているロイヤリティプログラムと結ぶ戦略は今後増えてもおかしくない。クリニークとしては、NFTの値段設定をしないことが重要だとEsteé LauderのCIOが語っている。
Clinique’s first NFT ties to loyalty and products as uses expand
🎙 Podcast
#42 下着ブランドPARADEリサイクルプログラム、Adidas x PradaのNFT
今週は、下着ブランドPARADEのリサイクルプログラムや、リセール事業の内製化トレンド、Glossierのレイオフ、アメリカの全リテール購入の16.6%が返品されている?、AdidasとPradaのNFTプロジェクトなど話しました🔥(Apple Podcastの方はこちら)
✏️ View
Liquid Deathが2021年に$3M分のグッズ販売を出来た理由
インパクトのあるビジュアルと天然水というギャップがすごい、水ブランド「Liquid Death」は常に新しいグッズを販売して、需要を検証している。2019年にローンチしてから数ヶ月以内にTシャツを売り出していたが、最近ではグッズ販売がかなりの売上になり始めている。『Modern Retail』の記事によると、2021年$45Mの売上のうち、$3Mはグッズから来た。11月には「Urban Outfitters」でLiquid Deathのグッズを卸して販売。去年の夏には$6,000もするLiquid Death専用の自販機を販売した結果、4人が購入したという。グッズは犬のおもちゃやミニ冷蔵庫など、$14から$500ぐらいだが、少しエッジの効いたドロップもするときもある。去年は、スケートボードの神ことトニー・ホークとコラボし、彼の血を含んだスケートボードを$500で100個販売。そして、20分で完売した。
Editor's View
二つの種類の商品しか販売しないLiquid Deathにとってはマーケティングがブランド優位性で、このようなグッズ販売はブランドを強化するもの。そのため、毎月3つから5つの新しいグッズをドロップしていて、Liquid Deathのサイトで商品購入をするユーザーの半分以上が一緒にグッズを注文する。Glossierも過去にパーカー販売する際に10万人のウェイトリストを集めたが、今後はどのようにブランドとしてカルトファンを集めるかが勝負になるので、グッズ販売戦略を強化する会社が増えるかもしれない。ー宮武
‘Cult following’: How Liquid Death sold $3M worth of merch last year
📰 News
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