#52 ブランドのTikTokを盛り上げるのはゆるいマスコットたち
アマゾンの返品問題、解決方法は返品を受け取らないこと?、ショッピングモールのデジタル化「Placewise」、セコイア・キャピタル・チャイナとファッション
『CEREAL TALK』は、米国の次世代ブランドや小売、ニューラグジュアリーにフォーカスしたメディアです。毎週月曜日の朝にニュースレターをお届けしています🥣 by 沼田 雄二朗(@Numauer), 宮武 徹郎(@tmiyatake1) and 草野 美木(@mikikusano)
🥣 Briefing
ブランドのTikTokを盛り上げるのはゆるいマスコットたち
最近TikTokでブランドが投稿する人気動画に、マスコットキャラクターを活用したもが多いと、『Marketing Brew』が伝える。語学アプリ「Duolingo」は、フクロウキャラDuoのおかげでTikTokフォロワーを300万人まで伸ばした。他にもSour Patch KidsやEmpire State Buildingまでマスコットを使うようになった。まだなぜマスコットキャラがよりTikTokと相性が良いかは不明確だが、一つ出ている理論ではよりTikTokのすぐ変わるトレンドに合わせられるからとも言われているそう。Duolingoは、2021年2月にTikTokを始めた時はマスコットキャラクターを使わずに、様々なコンテンツを試していた。中では語学インフルエンサーが面白い単語を教える動画などもあって、各動画は2万〜3万再生回数を達成。キャラクターのDuoを活用した動画の平均再生回数は300万〜500万回で、広告を一切利用していない。Duolingo以外にニューヨークの象徴的なビルのエンパイア・ステート・ビルディングの不動産投資信託会社はビルやキングコングをマスコットとしてTikTok動画を出していて、Duolingoと同じようにマスコットが含まれる動画の方が成功している。逆にマスコットキャラクターを他のInstagram Reelsなどで試すと同じようなパフォーマンスが出ないので、違うオーディエンスなのか、トレンドしている音声などが違うのか、今のところマスコットを活用して人気になるのはTikTok特有かもしれない。
Mascots might be the key to a successful TikTok strategy for brands
アマゾンの返品問題、解決方法は返品を受け取らないこと?
AmazonやWalmartなどのリテーラーは最近AIを活用して返品対応するべきか判断しているそうだ。『WSJ』の情報によると、単価が低い商品や大きい商品の場合、返品する際の配送コストを負担するよりもただユーザーに返済して商品をそのままにしたほうが安いケースが多い。Targetでは返済をした後に返品希望した商品を寄付することをおすすめしたりしている。Walmartでは商品価格、返品プロセスのコスト、ユーザーの購入経歴などをベースに返品を受け付けるかを判断している。2019年から2020年にかけて返品されたECオーダーが70%増して、去年末のホリデーシーズンだけで$70.5BのECからの返品があったと予想されている。もちろん不正もあるが、ブランドとして返品プロセスでさえテクノロジーを活用して体験向上しようとしている。
Amazon, Walmart Tell Consumers to Skip Returns of Unwanted Items
ショッピングモールのデジタル化「Placewise」
多くの大手デパートは自社のリアル店舗しか押してなかったのを、コロナの影響もあってよりオンラインで商品販売もしなければいけないことに気づいた。複数のショッピングモールやデパートはテナントのプロダクトや在庫情報にアクセスしてショッピングモールがEC販売を可能とするサービス「Placewise」と提携している。『Glossy』が紹介しているPlacewiseは、集権型のECマーケットプレイスを通してショッピングモールのオンライン戦略を変えている。直近ではライブ配信事業者とも連携したため、ショッピングモールがハイパーローカルなエンゲージメントを行えるようになった。さらに、デパートはリテールスペースの活用方法を変え始めている。店舗の訪問人数にフォーカスするだけではなく、スペースをオンライン注文の在庫を保管場所にしたり、ライブ配信スタジオに変更している。結果どう新しいリテール環境の中でショッピングモールが生き残るかは、新しいチャネルを試すしかないのかもしれない。
✏️ View
セコイア・キャピタル・チャイナとファッション
セコイア・キャピタル・チャイナは今年1月に、韓国ブランド「We11done(ウェルダン)」の過半数の株式を取得を発表(金額は非公開)。これにより中国、ヨーロッパ、アメリカでの展開を予定し、『BoF』によるWe11doneのCOOの取材では、投資だけではなく、質の高いリソースとコミュニティによるブランドの成長に繋がると話しています。We11doneは、コンセプチュアルでジェンダーニュートラルなブランド。若い世代から人気があり、共同創業者の一人のダミ・クォンは、BIGBANGのG-DRAGONの姉ということでも有名。韓国を拠点にしていますが、ビリー・アイリッシュなどがファンであったりヨーロッパやアメリカ市場でも人気が集まり、中国でも国内スターが着用したことで急激に人気ブランドになりました。VOGUE CHINA元編集長のアンジェリカ・チャンがパートナーになった2月頃から、ファッション領域への投資がとても積極的ですよね。2021年2月にはフランスのファッションレーベル「Ami」買収、そしてカナダのオンラインファッションサイト「SSENSE」への投資を発表。アメリカとヨーロッパの拡大をサポートするため、シャネルのオーナーファミリーのデイビッド・ヴェルタイマーのプライベートエクイティファンドともパートナーとして提携しているそうです。(ストリートウェアメディア「Highsnobiety」や折りたたみ自転車「MATEBIKE」にも投資している)。アジアで人気ブランドでも、中国市場の参入は難しい。さらに言えば、アジア発ブランドを世界に届けるのはさらに難しいですよね。それをセコイア・キャピタル・チャイナは色々な形でサポートしているのは本当にすごいです。——草野
📰 News
EC体験作成オープンソースツールShopwareが$100M調達 - TechCrunch
マクドナルド、10のメタバース関連の商標登録を申請 - Business Insider
ホームフィットネス「TONAL」スーパーボウルにセリーナ・ウィリアムズ起用 - YouTube
このニュースレターへの質問やコメント、ご感想などはこちらまで🥣
@CerealTalkjp by @Numauer, @tmiyatake1 and @mikikusano