#6 ヴァージル・アブローも参加する招待制ショッピングプラットフォーム
2021年で最も成長するD2Cカテゴリーは?、ブランドがセレブを経営メンバーとして採用している理由、エスティ ローダーが「The Ordinary」運営会社を大型買収
『CEREAL TALK』は、米国の次世代ブランドや小売、ニューラグジュアリーにフォーカスしたメディアです。毎週月曜日の朝にニュースレターをお届けしています🥣 by 沼田 雄二朗(@Numauer), 宮武徹郎(@tmiyatake1) and 草野美木(@mikikusano)
🥣 Briefing
大阪なおみ、ヴァージル・アブローも参加する招待制ショッピングプラットフォームBasic.Space
「Basic.Space」は、良いプロダクトやイケているビンテージを簡単に探せるサービスだ。キュレーション型のマーケットプレイスが増える中、Basic.Spaceは認められたテイストメーカーのみが自社ブランドや気に入った商品を載せることができる。元々20名しかいなかった売手はヴァージル・アブローや大坂なおみ、スティーブ・アオキなど125名のコミュニティとなっている。中でも、大坂なおみはこのプラットフォームを通してチャリティープロジェクトとしてマスクを30分以内に完売。ヴァージル・アブローはオリジナル家具ラインを作り、話題になった。RealReal、Poshmark、Depopなどビンテージものが流行っているが、信頼するテイストの人が販売するサイトは少なかった。「人」への信頼が上がっているからこそ、個人が選ぶD2Cブランドやそのほかアパレルやビンテージ物が流行るのは自然な流れだろう。
Basic.Space Is the Invite-Only Shopping Platform Naomi Osaka and Virgil Abloh Have Already Joined
2021年で最も成長するD2Cカテゴリーは?
コロナの影響で過去12ヶ月でEC率の向上とともに、急激に成長したD2Cカテゴリーがあった。今年は落ち着きはじめるかもしれないが、消費者行動を変えたのは間違いない。D2Cブランドはその対応に準備が出来ていたアドバンテージもあったが、最近は大手リテーラーもオンライン化に進めてオンライン上でも競合としても出てきている。そんな中、2021年で最も成長すると予想されているカテゴリーのトップ2は、「ホームウェア」と「ニッチとサスティナブルなファッション」。コロナでクックウェア、家具、DIY、ガーデニングD2Cの需要が急増。ホームウェア系のECサイトトラフィックが2020年Q2で318%増、そして3分の2の大人は家のために少なくとも月1で何かをオンラインで購入した。2021年ではペースが少し落ちると予想されているが、オンラインで購入し続けると多くのアメリカ人が発言している。(2020年D2Cブランド成功事例:Great Jones、Lick、Bloom & Wild、Dormify、Made)
そして、リテールファッションは全体として下がったが、ニッチとサステイナブルにフォーカスしたプロダクトは成長。ウェブトラフィックで2020年に最も成長したブランドのトップ10のうち4社はアパレル企業だった。子供のパーカーを売る「Cubcoats」などニッチな領域に攻めているブランドや環境問題に対してのソリューションを提供するブランドが特に人気だった。(2020年D2Cブランド成功事例:Cubcoats、Hari Mari、Draper James、For Days、Rowing Blazers、Haute Hijab、Birddogs、Cuup)
ブランドがセレブを経営メンバーとして採用している理由
ここ数ヶ月間で様々なファッション、ビューティー、ウェルネスブランドがセレブを経営メンバーとして採用している動きがある。これまでの「アンバサダー」や「Chief Fun Officer」ではなく、ブランドの取り組みに関わる役割としての採用。2020年11月に『フレンズ』で有名な女優ジェニファー・アニストンがサプリD2Cブランド「Vital Proteins」のChief Creative Officerとして採用された。同月に女優のダコタ・ジョンソンがセクシャルウェルネスブランドの「Maude」のCreative Directorとして任命。他にもジュエリーブランドの「Aurate」や「Ulta」も有名女優をアドバイザーなどとして採用している。セレブを採用するトレンドは昔からあるが、直近の動きは今のマーケティングトレンドを表しているのかもしれない。ブランドとしては、PR効果及びセレブのファン層を取り込める。セレブ側もプロダクト開発に積極的で、株を要求するケースも多い。セレブとしてはより自分のイメージに沿ったブランドを作れるのが目的。今まではただインフルエンサーとスポンサーの関係だったのが、コラボする意味合いを求められている中、ブランドもセレブもより慎重にマッチングを行っていて、マッチしたらお互いの強いコミットが約束される。
📢 We launched a podcast!
ポッドキャストをスタートしました!第1回は、「Italic」のキャンドルキャンペーン 、アマゾン VS Shopify、D2Cキュレーションメディア「ThingTesting」の調達などについて話をしました。よかったら聞いてみてくださいね🎙
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エスティ ローダーが「The Ordinary」運営会社を大型買収
エスティ ローダーが、日本でも人気の高い「The Ordinary」などを展開するカナダの化粧品会社デシエムの買収を発表。企業価値評価額は約2321億1100万円と、企業価値評価額ベースで最大の買収案件となりました。The Ordinaryは、成分重視の処方を採用したスキンケアブランドで、パッケージングなどのコストを抑え、手に取りやすい価格帯を実現し人気を集めています。他にも、エイジングケアに特化したスキンケアブランドなど全7ブランドがあり、開発から製造、店舗、マーケティングなどすべて自社で行っています。2021年1月31日までの12ヶ月の純売上高は約484億8900万円を達成。
Editor’s note
The Ordinaryは、日本には販売店がないものの、セフォラなどから海外コスメサイトから買っている人も多く、通称「血みどろピーリング」という人気商品も多くのユーチューバーが取り上げていました。ローカライズや日本版公式サイトがないにも関わらず、人気の高い海外コスメは増えてきています。コロナの影響でEコマースの利用の増え、韓国や中国コスメの人気も高く、ファッションブランド「オフホワイト」の初のメイクアップ商品も韓国化粧品メーカー「アモーレパシフィック」とコラボし話題になりました。そして、スキンケア需要の拡大により化粧水や乳液以外のより細かなジャンル美容液やブースターなど幅広いスキンケア商品の人気も増加傾向にあります。個人的にもコロナの影響もあり、化粧品よりスキンケア、買うなら口コミ気になり、インターネットで調べるという消費行動が増えた気がします。その中で、The Ordinaryのようなすべて自社で行うブランドが国内外で人気になるという、さらに化粧品やスキンケアの海外Eコマースの動きは注目したいです。——草野
Estée Lauder agrees $1bn deal to buy owner of The Ordinary skincare | Financial Times
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