#60 業界が注目する菌糸体ベースの代替肉「Meati」とは
ライブショッピングに出演するフード系D2C起業家、日本でもRobloxを試すべきなのか?、懐かしの味を復刻!オレオのユニークなマーケティング、スニーカーコミュニティーSoleSavy
🥣 Briefing
業界が注目する菌糸体ベースの代替肉「Meati」とは
『Fast Company』の記者が、「植物性タンパク質には珍しく、とてもジューシーだ!」と評価しているのは、「Meati Foods」が手掛ける菌糸体(キノコの根にあたる部分)をベースにした代替肉のチキンカツだ。
Meatiは、アメリカで最も人気のシリアルCheeriosを販売する大手食品会社のゼネラル・ミルズの元社長スコット・タッサーニをプレジデントとして迎い入れ、パタゴニアの元CEOローズ・マーカリオを取締役に、人気レストランチェーンMOMOFUKUグループの創業者でありシェフのデイビッド・チャンがアンバサダーを務めている。
最大の特徴は、何を隠そうやはりその素材だろう。多くの代替肉が大豆、小麦、えんどう豆を由来とするのに対して、Meatiは業界で初めて菌糸体をベースにした代替肉だ。菌糸体は、施設のタンク内で水や栄養を与え、3、4日間培養するだけで効率的に質量を何倍にもできる、またグルテンフリーで一般的なアレルゲンも含まないといった利点も。
一方で、菌糸体ベースの肉はそのままでは無味で美味しいとはいえない(記者談)。そのため、Meatiのチキンカツにはチキン風味の天然調味料が配合されている。ただMeatiステーキは、消費者が一素材として自由に調理できるようにあえて無味のままにしてあり、デイビッド・チャンがその調理事例などを紹介している。
先月末、ステラ マッカートニーが発表したサマーコレクションでは、「キノコが私たちを結びつける」というアイディアをもとに、菌糸体ベースの新素材を使用したバッグが紹介されるなど、ファッション領域でも注目を集める菌糸体。代替素材として、幅広い業界で引っ張りだこの状況に、きっとキノコも驚いていることだろう。
I ate the mycelium chicken backed by David Chang. And it’s stupidly good.
ライブショッピングに出演するフード系D2C起業家
「TalkShopLive」は、2018年のローンチ以来、セレブリティ主導のショッピングセッションのライブで知られるようになった。『ModernRetail』によると、プラットフォームに自ら出演してくれるフード系D2C創業者を増やしたいと伝えている。フード領域は、ビューティーと並んでTalkshopliveで最も成長しているセグメント。その中でも特に成功したのは、食をテーマとした専門テレビ局のFood Networkの名司会者ジャーダ・デ・ラウレンティスが新刊のキャンペーンで行ったセッション。視聴者から「ブランド創業者を取り上げてほしい」という要望が寄せられたそう。そこからオリーブオイルブランドのBrightlandや缶のワインブランド Nomadicaの創業者がライブ・ショーの一部に出演。ビデオコマースのトレンドは、TikTokやInstagramのリールような、より動画に適したプラットフォームを試してみたいというブランドの高い関心が重なっているとともに出演者は製品の背景にあるストーリーや想いを視聴者に伝えた後にその場で購入に繋げれる。
ここでのポイントは、創業者たちが自宅から配信していること。「視聴者は、創業者が自宅で犬と一緒にいる姿を見るのが好きで、綺麗なスタジオよりも心に刺さる傾向がある」とTalkShopLiveの共同設立者兼 CEOは述べている。まだまだマーケティングの実験場として動いていくであろうライブ・ビデオ・コマース。今後はもっと創業者のリアルを発信するセッションやそこだけでしか見られないブランドのコラボレーションが期待されるかもしれない。
How TalkShopLive is courting DTC brands to use its livestream platform
🎙 Podcast
懐かしの味を復刻!オレオのユニークなマーケティング、スニーカーコミュニティーSoleSavy
✏️ View
日本でもRobloxを試すべきなのか?
2004年にローンチしたRobloxは今となっては若者層が集まる場所となっている。2018年では1,200万人のDAUがいたプラットフォームだったのが上場した2020年では3,110万人、そして2021年末では4,550万人まで成長した。54%のユーザーが13歳以下だが、Gucci、Nike、Forever 21など多くのブランドがRoblox上で体験をローンチしている。今後重要になってくるのはただの店舗体験を提供するだけではなく、よりゲーミフィケーションなどを組み込んだ、リテンションが高まる体験。Forever 21は「Forever 21 Shop City」をRoblox上でローンチしたが、ユーザーは自分のデジタル店舗を運用するコンペに参加できる仕組みだった。コンペ型にすることによって、毎日ブランドとインタラクティブに過ごすユーザーが増えた。さらにVansやForever 21だとリアルで商品購入もできるようにしているので、ブランドとしては認知だけではなく、実際に売上を作れるチャンスにもなる。
Editor's View
CEREAL TALKでは何回もRobloxについて紹介しているが、個人的にはかなり有力なチャネルになると思っています。今はアメリカのユーザーが多いが、実はRobloxはかなり日本市場に力を入れている。実態数は分からないが、2021年では日本のユーザー数は100%成長している。それ以外に重要な数字だと、2021年で2,500万以上のバーチャルアイテムがRoblox上で作られたこと、そしてDAUの5分の1(900万人以上)が毎日自分のアバターをアップデートしていること。リアルの世界で服を着替えることが普通だが、それが徐々にバーチャル世界の中でも行われていることは、そこでの自己表現が重要になっている。そうするとデジタルスキンやバーチャルアイテムの価値が上がる。今後より多くの時間をこのような空間で過ごすことを考えると、ブランドとしては競合を追い抜いて次世代ユーザーにアピールできるチャンスになる。ー宮武
📰 News
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