#62 ペットフードにも進出するヴィーガン食の効果はいかに
Netflixが広告を販売すべき理由、リテール系VCが探すWeb3版Glossierはどこ?、オンラインを超える店舗体験を 求められる役割、ソフトウェアサービスで店舗を作るとしたら?
🥣 Briefing
ペットフードにも進出するヴィーガン食の効果はいかに
先々週にご紹介した菌糸ベースのチキンカツ「Meati」のように、健康志向や環境配慮を理由に、徐々に食卓から動物性素材を減らしていくような風潮があるが、『The Guardian』の記事を読むに、これは人間だけに限った話ではないらしい。
動物性素材を含まないペットフード、いわゆるヴィーガンペットフードを1年間与えた飼い犬は、従来型の動物性ペットフード、または生肉を与えた他の犬に比べて健康的であったことが、2,500頭以上を対象に行われた、英国ウィンチェスター大学の調査結果によって明らかになったのだ。
1年間にわたるこの追跡調査によると、期間中に健康障害が見つかった犬の割合は、従来型が49%、生肉食が43%に対し、ビーガン食は36%だった。さらに従来型の約半数が不定期の投薬治療を必要としたのに対して、ビーガン食の犬は3分の1程度にとどまったそうだ。
世界でもまだデータサンプルが少なく、大切な家族であるペットの健康を維持するのに、ヴィーガンペットフードが真に効果的であるかはもう少し検証が必要そうだが、2020年には世界で約90億ドルが販売されるなど、成長市場ではあるようだ。
近年、1頭あたりにかけるお金が増え、ペット市場でもプレミアム路線が見られるが、ヴィーガン食はどれだけの飼い主たちに受け入れられるのだろうか。その前に、じゃあ肉食獣ってなんなんだろうか、とも思ってしまったのは内緒だ。
Vegan diets are healthier and safer for dogs, study suggests
Netflixが広告を販売すべき理由
『Stratechery』によると、Netflixはメンバー加入者数の急激な伸びの減速に悩む中で、広告付き低価格サブスクを展開することを発表した。
Netflixの最大のアドバンテージは、加入者ベースのスケールの大きさ。Netflixは、加入者一人当たりのコストベースが低くてもトータルで判断すると高いので、欲しいコンテンツに対して競合他社よりも高い額を支払うことができる。この優位性は、Netflixの加入者数が増えれば増えるほど、また、加入者一人あたりの収益が増えれば増えるほど強調される。
広告付きの視聴層は、Netflixの加入者ベースを拡大し、長期的な成長見通しが良いだけでなく、視聴したい層は「低価格」という点でよりアクセスしやすい選択肢となる。これでいうと広告付き低価格サブスクは、解約する可能性のある顧客には代替手段を提供し、支払う意思のあるNetflixをよく使うユーザー最上位層には広告を表示しないことで新たな利益を創出する。
かつてNetflixは、お金を払うに値するオリジナルコンテンツで差別化されたユーザー体験を通して勝利を収めたが、今日はわたしたちにユニークなコンテンツへの毎月少額の投資を要求している。これはNetflixの明確な価値提案の大きな転換であるものの、新しいビジネスモデルの追加がどういう方向に転がるのか楽しみだ。
🎙 Podcast
リテール系VCが探すWeb3版Glossierはどこ?
今週は、SKIMSやEVERLANEに投資をしてきたリテール系VC「Imaginary Ventures」が探すWeb3のGlossierについて、店舗体験をどう提供するかなど話をしました。
✏️ View
ソフトウェアサービスが店舗を作るとしたら…?
ここ数年コミュニティサービスやコミュニティ発のブランドにスポットライトが当てられている。「Somewhere Good」は、有色人種向けのソーシャルオーディオアプリ。音声を通して、共通の趣味や夢を持った仲間を見つけることができるもの。昨年True Venturesなどから約4億900万円調達し、最近正式版としてアプリをリリースした。ローンチパーティーの様子がとても面白そうだったので共有したいと思います。イベントでは、アプリをDLした人が入場することができ、会場にはDJやフォトブース、サービスを紹介するエリアなどなど。イベントの内装・企画を共同で行ったのが、「SLUG GLOBAL」というクリエイティブエージェンシー。(サイトもかっこいいです!)コミュニティサービスであるものの、ソフトウェア・アプリの世界観を物理的な空間で作ることは、事例が増えています。ショッピングアプリnateなどもポップアップを過去に多数開催、デートアプリのBumbleもレストランBumble Brewをオープン。コミュニティがサービスの軸であったり、C向けプロダクトの場合には、店舗を作るとしたらどんな世界観だろう…?と考えてみるのも面白いかもしれません。ーー草野
📰 News
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CEREAL TALK(@cerealtalkjp)Yujiro Numata(@Numauer) Tetsuro Miyatake(@tmiyatake1) Miki Kusano(@mikikusano)