#82 Pinterestの新アプリ「Shuffles」がトレンドに対抗する方法
ファッション業界において高まる動画コンテンツの重要性、KPOPのスタイリングが与える影響、コラボがハイプを希薄化している?、小売と「サステナブル」をとりまく海外トレンド
🥣 Briefing
Pinterestの新アプリ「Shuffles」がトレンドに対抗する方法
『ModernRetail』9月2日の記事によると、「Pinterest(ピンタレスト)」が今年7月下旬にリリースした新アプリ「Shuffles」が、現在招待制かつベータ版にも関わらず、アプリストアにて50万件に迫るダウンロード数を記録しているという。 「Shuffles」最大の特徴は、画像を切り貼りして作品を作るコラージュ機能。ユーザーはPinterestのアカウントでサインインすることで、ボードに保存した画像または新たに検索した画像を使用してコラージュ制作を楽しむことができる。画像にはエフェクトやモーションを加えることもでき、表現の幅は広い。また、完成した作品はアプリ上でシェアすることも可能だ。TikTokでは、Shufflesで作ったコラージュを紹介する動画が増えており、ハッシュタグ「#pinterestshuffles」の視聴回数は、9月9日時点で2,490万回を超えている。 InstagramやYoutube、Linkedinなどソーシャルメディア各社が、TikTokを意識したショート動画に注力する一方、画像主体の当アプリはその潮流からは外れているものの、かねてからPinterestが掲げていた、「他人の投稿をスクロールするだけでなく、ユーザー自身のクリエイティビティを刺激する」というコンセプトを体現するサービスと言える。 Shufflesの日本展開の時期や、収益化の方法などは今のところ明らかになっていない。
How Pinterest's new app Shuffles aims to buck the social video trend
ファッション業界において高まる動画コンテンツの重要性
ブランドのSNS発信において、動画の重要性が高まっていると『The Business of Fashion』は伝えている。たとえばDiorのInstagramでは、すでに3割が動画投稿となっている。しかし、動画は写真と比べると製作コストが大きい。音楽とのバランスを考える必要もあるため、写真とは異なるスキルセットが必要だ。マーケティングにおいて動画の重要性が増すほど、予算の少ない小規模なブランドにとっては不利になる。そこで質の高い投稿が求められるInstagramではなく、アイデアの面白さや親しみやすさによって評価されるTikTokに力をいれようとする動きもある。 動画が当たり前のものとなった今、どのように動画表現を取り入れるかは、企業規模に関わらずすべてのブランドの課題となっている。
The Rise of Video Has Fashion’s Content Machine Working Harder Than Ever
👥 Editor’s View
Pinterestの新アプリ「Shuffles」がトレンドに対抗する方法
招待制のアプリのShufflesはFOMO(取り残される恐れ)を作り、招待コードを必死に探す人がいてバズったのも一部あるが、Pinterestの初期ユースケースを思い出すようなアプリ。ムードボードの発想自体は新しくなく、過去にはPolyvoreは$200MでYahooに買収された事例もある。ShufflesはPinterestとしてはショッピング体験に紐づかせるのが目的な気がする。Instagramでは#moodboardの付いている投稿が550万超えているので、今後Instagramもショップ可能なムードボードを試すかもしれない。今現在はShufflesに登録するにはPinterestアカウントが必要で、画像は自分の写真以外にPinterestの検索エンジンを活用できるようになっている。ムードボードにある写真を一つ一つタップして再利用できるのは非常によく、CanvaのよりC向け版のように見える。ーTetsuro(@tmiyatake1)
ファッション業界において高まる動画コンテンツの重要性
この記事を読んで、思い浮かんだブランドは「BURBERRY」でした。BURBERRYのTikTokアカウントでは、ブランドのシグニチャーでもあるチェック柄のパスタをASMR風に作る動画やゼリーでバッグを再現する動画など面白い動画を作っていたり、人気のTikTokクリエイターとコラボして動画を投稿しています。ブランドのトーンとカジュアルすぎる流行をどうバランスを取るか難しいですが、BURBERRYの場合、絶妙なバランスだなと感じます。彼らがおそらくコラボレーションで重視されているのはフィルターや楽曲のトレンドというより、別の形でブランドやプロダクトを表現してくれる人。選んでいるクリエイターはものづくり系(3Dグラフィックデザイナー、ケーキ職人、陶芸家)が多く、トレンド感や親しみやすさもありつつ、ブランドの良さも伝わるクリエイティブだなと思います。—Miki(@mikikusano)
🎙 Podcast
KPOPのスタイリングが与える影響、コラボがハイプを希薄化している?
今回は、KPOPのスタイリングが与える影響という話題から、増えるブランドコラボにハイプが希薄化している?という話をしました。
📓 note
小売と「サステナブル」をとりまく海外トレンド
CEREAL TALKのnoteでは、これまでのキュレーションした記事をトピックごとに紹介しています。今回は、「サステイナブル」。ぜひチェックしてみてください!
📰 News
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