🥣 Briefing
Amazon Marketplaceから生まれるソフトウェアユニコーンの可能性
これまで投資家の盲点だったアマゾンエコシステムのソフトウェア企業が、注目を集め始めている。きっかけは、アマゾンツールのポートフォリオを取得・運用し収益を伸ばしているアグリゲーター企業のうちの一つであるAssemblyは2019年に製品検索ツールのHelium 10を買収して、2021年9月には10億ドルを超えるバリュエーションがつけられ投資家の目線が向けられるようになったことだ。
アマゾンエコシステムには数千のソフトウェア企業が存在し、在庫管理、製品検索、価格設定、物流、広告などのサービスでブランドビジネスに活用されている。それらの企業全体の価値は100億ドルにも登るが、最近までこういったソフトウェア企業が投資家から注目されることはなかった。ECブランドのグロースサポートSaaSを展開するPatternは2021年10月に10億ドルのバリュエーションを達成し、ハードウェアブランドのAnkerは2020年8月に株式を公開。しかし、ソフトウェア企業でその規模に成長したものはいまだ出てきていない。いまユニコーンの可能性が高いのは2022年3月の直近のラウンドで10億ドル以上の企業価値をつけたCommercelIQだ。
ShopifyのエコシステムはDeliverr、 Attentive、 ShipBob、 Klaviyo、 Yotpo, Rechargeの6つのユニコーンを持っている。これらの企業やアグリゲーター企業を除くとユニコーンが存在しなかったアマゾンエコシステムも変化の時を迎えている。
プレッピースタイルが人気であり続ける理由
プレッピーとは、名門学校に通う上流階級の学生に起源を持つスタイルで伝統的で保守的な古くささもあるのが特徴だ。しかし、あらゆる世代がいつの時代もプレッピースタイルに惹きつけられる。なぜならこのスタイルは、職場でも遊びの場でも一流でありながらも動きやすく、充実した生活のあらゆる場面で機能的だからだ。プレッピーを最も上手に見せることができるブランドはラルフ・ローレンだ。どんな時代も人々はラルフが表現するラグジュアリーな世界観に憧れを抱いている。ホームコレクションのRalph Lauren Homeやレストランのポロバーを通じて、ラルフの世界観を演出し人々にプレッピーな生活を提供している。
しかし、現実的にはプレッピーなスタイルに常にいるわけにはいけない。季節や天候、時代の雰囲気に合わせたスタイルが必要なときもある。そこで、プレッピースタイルなブランドは常に細かいパーツを時代遅れなものにはならないように変化し続けている。例えば、Tommy Hilfigerは90年代からプレッピーの常識を覆し続けてきたし、2010年代後半にNoahはプレッピ-にスケートカルチャーとサステナビリティシックを融合させ人気を博し、Rowing BlazersはTシャツではなく、パステルカラーを使用し新たな新たな流れを生み出した。
The enduring appeal of Ralph Lauren's prep aesthetic in L.A.
✏ Editor’s View
『Amazon Marketplaceから生まれるソフトウェアユニコーンの可能性』を読んで
iOSアップデートなどの影響でマーケットプレイスがブランドの認知獲得として重要なチャネルになる中、AmazonではAnkerやHero Cosmeticsなど成功するブランドだけではなく、Shopifyのようにブランドを支えるツールが人気になっている。これによってAmazonのShopify化があり得るのかは分からないが、Amazonは今まで以上にD2Cブランドを引き寄せようとしているのは間違いない。直近のBuy with Prime機能もAmazonの強みであるロジスティクス周りのインフラをAmazonのマーケットプレイスで販売してなくても活用できる決済サービスを提供している。逆にShopifyはShopアプリなどで全Shopifyブランドから商品検索が出来る、Amazon化を進めているようにも見える。この2社、そしてSHEINやWalmartなどスケールしているサービスが来年どう戦い合うのかが気になる。── Tetsuro(@tmiyatake1)
『プレッピースタイルが人気であり続ける理由』を読んで
ポッドキャストの会話でもあったように、複数ブランドのラインと、レストランなどの他業種展開、幅広い価格帯で、色々なプレッピーファッションを表現しているのが面白いです。カフェ形態は、日本だけでも6店舗展開しています。最近では、11月には元Alibaba Pictures GroupのシニアアドバイザーでプレジデントだったWei Zhangがボードメンバーに。今後も気になります。──Miki(@mikikusano)