#201 リテール起業家6名に聞く2025年トレンドと注目ブランド
特別号・grounds運営の金丸氏、DAYLILY 小林氏など6名の起業家・ベンチャーパートナーから今年注目のトレンドとブランドを伺った。
昨年2024年のはじめにも企画した「リテールテック起業家に聞く2024年業界トレンド」今回は、業界の流れのトレンドから注目ブランドを6名の起業家・ベンチャーパートナーから伺った。
AIを活用した高度なパーソナライズやチャットボットの進化が加速し、グローバル規模でサステナブルかつオムニチャネルなECが主流となる。消費者は短尺動画やライブコマース、SNSの多様化を通じて商品と繋がり、ブランドはD2Cを強化し、独自性と信頼を築く。地域別にローカリゼーションや販売チャネル選択が求められ、AR試着やサブスクリプションモデルも拡大。サステナビリティと高品質へのニーズはさらに高まり、企業は持続可能性や透明性を訴求しつつ、AIとデータ活用による最適化を図る。こうしたトレンドを捉えたグローバル戦略が企業の成長を左右する。
Lingble CEO 原田真帆人 | Mahoto Harada
2009年にLingbleの前身となる、デニム販売「デニミオ(DENIMIO)」を手がけるプロスペクトフィールド株式会社を設立。その後、フルブライト奨学金を得て、スイスのビジネススクールIMD(国際経営開発研究所)でMBA(経営学修士)を取得。帰国後クックパッドへ入社し、ヘルスケア事業部をの立ち上げる(現株式会社おいしい健康)。ITを生かして16年グローバルECプラットフォームのリングブルをスタート。パリに在住。
・真にグローバルなEコマースソリューション - Lingble
王道ではありますが、マチュー・ブレイジーをディレクターに迎えたCHANELがどう進化をしていくのかが気になっています。
CHANELは自分が生まれた頃からカール・ラガーフェルドという超偉大な人がやってて、彼が亡くなってその右腕であるヴィルジニー・ヴィアールが引き継くという大きな流れの中の大抜擢。偉大なブランドの偉大なデザイナーの後継になる若手。しかも、最近のストリートの流れとも違う、正統派なフランスのいい家の生まれのデザイナーというのも注目です。
株式会社FOOLS 金丸拓矢 | Takuya Kanemaru
2019年3月に設立。「ファッションブランドのあり方を未来へと前進させる」というミッションを掲げ、業界に改革を促し顧客に新しい選択肢を提案し続けるフットウェアブランドを企画運営。2023年9月に原宿でオープンした1号店に続き、新たに2号店と3号店を大阪・南堀江と裏原宿エリアにオープン。
・grounds|公式通販|日本発ファッションスニーカーブランド
・grounds (@grounds.official) • Instagram
米ドナルド・トランプ大統領の就任がリテールテック業界に最も影響を及ぼす要素としては為替と株価が挙げられると思います。特に為替はリテール関連ビジネスの仕入れ原価や粗利への影響が大きく、トランプ氏の一挙手一投足が注目され、相場が乱高下する可能性が高いため、複数のシナリオを想定する必要があると考えます。
また、2024年に進み始めたデジタル広告でのAI活用は、2025年にはさらなる加速と一般化が見込まれ、先行者利益がやや陰ってくるのではないかと感じています。そこで、デジタル広告以外の新規顧客獲得手法を模索する動きや、リアル店舗・ポップアップストアの活用は増加しそうです。インバウンド顧客の取り込みにおいても、リアル店舗の存在は重要です。
最後に、D2Cブランドと大企業との協業が活発化し、M&Aや統合が進む流れはさらに加速するでしょう。昨年も江崎グリコによるGreenspoon買収や、サザビーリーグによるCOHINA買収などがありましたが、コロナ禍が明けて一定期間が経過したことで真の実力が明らかになった企業が再評価され、勝敗がより明確化していきそうです。
株式会社FABRIC TOKYO 森 雄一郎 | Yuichiro Mori
1986年生まれ岡山県出身。”Fit Your Life”をコンセプトに、顧客一人一人の体型に合う1着だけではなく、一人一人のライフスタイルに合う1着の提供に挑戦中。一度、ご来店いただき、店舗で採寸した体型データがクラウドに保存されることで、以降はオンラインからオーダーメイドの1着を気軽に注文することができます。リアル店舗も自社で展開し、関東・関⻄・名古屋・福岡の合計10店舗を運営中。
・株式会社FABRIC TOKYO
・Yuichiro Mori(@yuichiroM) / X
1878年創業の「平尾賛平井商店」を、現代に甦らせたオーラルケアブランド。歯科医師でありモデルの加藤順子さんと編集者 小田明志が参画し、作り上げたファーストプロダクトは、美しく、気持ちのいい「デンタルフロス」。
義務感からではない、豊かなヘルスケアのあり方
過去のブランドや時間の蓄積を活用していくこと
Officine Universelle Buly の創業者 Ramdane Touhamiが新たに手掛けたパリの山道具の店「A YOUNG HIKER」。50ブランドを超える国内外ブランドの登山用衣類、装備、アクセサリーをセレクトしている。
アウトドアの再解釈
あえてのセレクトショップ
一ブランドを作り上げたそのあと
DAYLILY CEO 小林 百絵 | Moe Kobayashi
北海道生まれ。慶応義塾大学 環境情報学部卒業後、同大学院メディアデザイン研究科を修了。株式会社電通に勤めたのち、台湾人女性とともに 台湾発 漢方のライフスタイルブランド「DAYLILY」を起ち上げ、現在は台湾に1店舗、国内に5店舗をかまえる。podcast「日曜、お茶しない?」で毎週日曜日にお茶話を配信中。
・DAYLILY 公式オンラインストア
・moe kobayashi 小林 百絵 (@mooee.tw) • Instagram
「Kimono Mom」は、日本人インフルエンサーがアメリカのWhole Foods 500店舗で発売し、家族とキャンピングカーで全米を巡り試食販売ツアーを行うという挑戦的なストーリーが注目ポイントです。日本の伝統的な「旨味」を手軽に楽しめるソースで、私自身もサラダに愛用しています。家庭の食卓を豊かにするだけでなく、そのユニークなマーケティングも評価されています。
WAKAZE CEO 稲川琢磨 | Takuma Inagawa
日本酒D2CのWAKAZE創業CEO。新卒BCG。日本人初のStation Fに選出🇫🇷2019年にパリで歴史上初めての酒蔵オープン、2023年に宝HDとの資本提携+VCでシリーズBの10億円調達、2024年にアメリカで缶入りスパークリングSAKEのSummerFallブランドをローンチ。現在LA在住🇺🇸 「日本酒を世界酒に」
・WAKAZE | フランスで進化する日本酒
・Takuma Inagawa(@takuma_inagawa) • Instagram
・稲川琢磨 (@takuma_inagawa)さん / X
グローサリーではヘルスベネフィットを謳う商品が増えている。年々高騰する健康保険や医療費の影響から、日常的に健康を整えようという方向にシフトしている。ヨガや瞑想など東洋的なアプローチが定着して久しいが、最近ではFood as medicineという言葉もよく耳にするようになった。“You are what you eat”(食事がからだを作る)をより真剣に捉え、栄養バランスのとれた食事で健康維持に努める人が増えた。 関連して、「Apothekary」のような東洋医学を取り入れたハーバルレメディ関連プロダクトも人気を得ている。この流れを考えると、今後は漢方がくるかも。 腸内環境ケアも流行っていて、「Poppi」を筆頭にプレバイオティクス飲料ブランドが爆発的に増えている。発酵食品も注目されていて、SFベイエリアでは「Cultured Pickle Shop」 や「AEDAN」 のような専門店も人気。
Future Food Fund Venture Partner 長谷川 浩之 | Hiro Hasegawa
2017年 米国サンフランシスコにてラーメンEC事業 Ramen Hero を創業。2018年 米国シードアクセラレーターAngelPad に参加。自社ECサイトにて全米48州の顧客に累計10万食を販売。
現在は、米国におけるフードCPGスタートアップの創業及び経営、冷凍食品プロダクトの製造とロジスティクス、オンライン及び小売店舗での販売経験をベースに、Future Food Fund の米国スタートアップに対する投資業務支援を行う。
・Future Food Fund | “食”専門のコーポレートベンチャーキャピタル
・長谷川 浩之 | Hiro Hasegawa(@hiro_hsgw)さん / X